舞台 ハリー・ポッターと呪いの子 藤原竜也と藤田悠 | 気むずかしい いろいろ

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ムーラン・ルージュの翌日やったからな・・・・。

 

が、やはり舞台の仕掛けがスゴイ。もうこれはアトラクションに近い。回転舞台に、奈落、二人羽織、黒子やら、古典的な手法から最新技術を駆使して、魔法の世界を表現していた。いくつかは、えっ?これはどうやって?と仕掛けがまったく分からんところがあった。こういうの見ると、仕掛けをどうしてんだろう?という好奇心が芽生えて、舞台装置に集中できなくなってしまうタチなのだ。

 


照明効果がすばらしく、光があたる部分と、光があたらない部分をクッキリさせて、闇の中では黒子たちがマジックパートを補助しているのだ、たぶん。その黒子たちがまったく見えへんようになっていて舞台装置、完璧。計算しつくされた照明やった。

 

ムーラン同様、アーチ形の柱が4~5本あるのだが、そこにあたる照明で教会にもなるし、駅にもなるし、学校にもなるしで、ほんまに照明演出、緻密でキレイだった。

 

湖のシーンで、演者はどこから入って、どこから出ていったんやろうか。舞台袖に出入口があったとして、距離がけっこうあるから、閉所恐怖症や暗所恐怖症にはたまらんかんじちゃうかなとか。

 

1幕最後のゴーストみたいなのが登場する場面、ハーネスと衣装の生地との相性がめちゃ良くて。クラゲのように優雅なうごきをしていた。どんだけテストしたんやろう?という要らぬこと考える。

 

というのも、わたし、ハリー・ポッターシリーズ、1回も見たことなく、おおよその設定は知っているものの、入り込むまでに至らんかったん。それでも大体のストーリーは分かったのだが、父と子の確執、親に制限される友達付き合いとか、“過去に戻ってやり直し”が招くさらなる悲劇とか、だいたい分かる。

 

藤原竜也演じたハリー・ポッターは、大人になって頑固で、思い込みの激しい、つまらん大人になっていて、不遜な演技させたらピカイチ俳優だから、厳しさが際立ってた。このあたりは流石と思う。息子役の藤田悠も、藤原竜也に怖気つくことなく、ちゃんと喰らいついてた。子どもを演じた俳優たちの演技もなかなか良かった。

 

がしかし横の席の見知らぬ20代女子は「藤原竜也、早口すぎて何いってんのか分からんかったー」と言うてた。はい。それ、わたしもそう思います。蜷川幸雄演出って、どうしてこうも早口なんだろう。浦井健治も、超早口で、何をいっているのか分からんときがある。これ、蜷川演出をうけたことのある人の特徴やったりするんかな。一説によりと早口でしゃべるほうが熱量と説得力があるからだそう。あと、賢そうにみえるとか。

 

だけどやで、聴きとれなかったら、意味がないと思うねん。藤原竜也は、活舌いいから聞き取れるんやけど、ときどき単語が「?」となった時、わたしは一度、漢字変換しないと理解できへん人やから、そこでつまづいたら、あとのセリフが流れてしまう。その時に、あと0.25テンポゆっくしゃべってくれたらなーと思う時がある。

 

ま、でも見れてよかった。

藤原竜也は9月で退くらしいし、24年3月まで公演が続くみたいだし。これからもキャストはどんどん入れ替わって、ロングラン公演を目指すだろうし。それが楽しみで、リピーターも多くなるだろう。横の席の女子は「ゴールデン・スニッチ・チケット」という席がランダムで決まるチケットで4回目やというてた。5,000円で、15,000円の横の席。ラッキーやな、オイ!。

 

 

制作費75億のハリーポッター。そこにキャストやスタッフの人件費も加算して、90憶と仮定。チケット平均13,000円。キャパ約1300人。535回公演しないと元がとれない??若いタレントの修行場と、雇用の場になるから単純な出費だけで換算するものちゃうかもしれん。

 

そして国からなんらかの助成金も出るだろうし、周辺店舗やテナント屋にとって集客につながるからスポンサーもいるだろう。だから、半分ぐらいが実質負担額なのかな。

 

 

はっ!また、こんな素敵な舞台のことを、お金計算でみてしまった。最悪や。

 

 

また機会があったら観に行きたい。いろんな余韻がきえた時、舞台しばらく見てない枯渇した時にみてみたいかな。

 

 

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2023年6月28日

@赤坂ATCシアター

原作:J.K.ローリング

脚本・オリジナルストーリー:ジャック・ソーン

演出・オリジナルストーリー:ジョン・ティファニー

振付・ステージング:スティーヴン・ホゲット

美術:クリスティーン・ジョーンズ

衣裳:カトリーナ・リンゼイ

音楽&編曲:イモージェン・ヒープ

照明:ニール・オースティン

音響:ギャレス・フライ

イリュージョン&マジック:ジェイミー・ハリソン

 

キャスト:藤原竜也、中別府葵、竪山隼太、松田慎也、馬渕英里何、藤田悠、渡邉聖斗、佐竹桃華、橋本菜摘、宝意紗友莉、木場允視、間宮啓行、榊原郁恵

 

 

客席は男女半々。20~30代若者半数。ハリーポッターファンで新規開拓できたのか?

 

 

この日の観劇で一つ残念なことが。1幕の後半から、レジ袋を触ってないと落ち着かない病気?の人なのか、ずーーーーっと、レジ袋をワシャワシャさわってて、めちゃくちゃうるさかった。触ってる本人は、その音がきにならんの?で、横のヤツ!わたしなら即「シッーーーーッ!」てやってんで。放置すな。

 

4時間ちょいの長丁場がおわって、階段降りていった時、前をあるいている30代前半のメガネ男子が、空になった弁当袋をぶらさげて同じ音を立てていた。犯人は、オマエかーーーーー!と叫びだしそうになった瞬間。

 

一緒に来ている女子に、舞台のすばらしさを一生懸命説明して自慢気顔に腹立つ。その前に音のマナーーーーー!!って叫びたくなった。