映画 ヒート(1995年) デニーロ×パチーノが50代で20年ぶりの共演 | 気むずかしい いろいろ

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“ヤバい暮らしには身一つが一番 いざって時は 30秒フラットで高跳びできるよう 面倒なかかわりを持つな”このセリフをずっと探していた。あぁ、デニーロとアルパチーノが20年ぶりに共演したこの映画のセリフだったか。長年のモヤモヤがひとつ解決した。

 

猛烈に断捨離をしていた頃、このセリフを急に思い出し、いざって時は、猫二匹以外のすべての所有物への執着を手放せるか念頭おいていたから、あのセリフは、どういう場面で使っていたかを確認したかったのだ。そうか、強盗犯だったか。そして物でなく、人間関係のことやった。記憶ってあいまいなもんやな。

 

この映画、公開当時、アルパチーノとデニーロが再共演するってことで、ゴッドファーザーファンは狂喜乱舞した。が、この映画の監督は、ファン心理を知り尽くしているのか、じらすじらす。強盗団と、犯人逮捕に躍起になる刑事という反対する立場におるせいで、なかなか二人の絡みがない。犯人がデニーロとわかっているが、なかなか正体と、尻尾がつかめず焦れるパチーノ。いや、焦れているのは、観客なんやけど。

 

やっとこさ、刑事パチーノが、犯人デニーロの車を止めて職質するも、ぼやけたデニーロの顔の奥にパチーノの顔が見えるだけ。この時点でもう1時間半は経過。直後、ダイナーでコーヒーを飲みながら、二人が対峙。刑事パチーノが、お前が犯人だってしってるぞ、と牽制するのだが、犯人デニーロは絶対に刑務所に戻らない。そんなヘマはしないと警察を挑発。

 

で、このシーンがすごく意地悪なのが、二人の顔が同一画面に収まらないよう、セリフごとに正面撮りしかしていない。デニーロがしゃべる時、パチーノの背中越し。パチーノのがしゃべる時、デニーロの背中越し。えっえ”---!なカット割り。ダイナーでのほかのシーンでは、チーム全員の顔がおさまるように、横から、斜めからの撮影があるのに、この、待望の絡みシーンは、顔と背中の共演。ファン泣かせやわ。そうカンタンに、ふたりの絡みを見せへんで、と超イジワルな編集。


最後には、さすがに並ぶやろうと画面に食い入るも、最後まで、背中と顔やった。握り合った手と手のシーンはあったけれど、あぁ、もう、クソ焦れたままで終わってしまった。

 

この映画の公開時、デニーロとアルパチーノは、50代前半。ゴッドファーザーⅡから20年経過。ファンはどれほど、この共演を待ち望んだことか。めちゃくちゃイジワルな編集やったが、次があるような期待感をあった。やっぱり、巨匠たちはそうカンタンに夢を叶えてはくれない。結局、この監督では次はなかったんやけど。しかたない、「ボーダー」見てみるか。せやけど、二人ともかっちょいい。50代?!銃撃戦でもかっこよかった。わたしの知り合いの50代があんな動きができるか?と想像してみたが、みな骨折してしまいそうやわ。わたしも含め、現実はとても厳しい。銃撃戦

 

アルパチーノは1984年頃から映画の出演を休み、ブロードウェイに活躍の場をうつしている。ゴッドファーザー後、どうしても認められない演技を、芝居の原点だった舞台で磨きなおすためだったとあった。アル・パチーノの演技を生で観れるなんて、ブロードウェイはうらやましすぎる。どんな盛況ぶりやったろうか。

 

今年、ブロードウェイが再開したらヒュー・ジャックマンがミュージカル「The Music Man」に出演する。ブロードウェイ、もう1回行きたい。はじめてみた時は、舞台まったく興味なかった時だから、付き合いでみただけだから、なんにも記憶にないし。ちゃんと本場を見てみたい。あと、ウエストエンドも。

 

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1995年アメリカ

監督:マイケル・マン

出演:ロバート・デニーロ、アル・パチーノ、ヴァル・キルマートム・サイズモアダイアン・ヴェノーラエイミー・ブレネマンアシュレイ・ジャッドナタリー・ポートマンダニー・トレホウィリアム・フィクナー

 

トレホ、フィクナーと、わたしの好物も出演!

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<今日のいちまい>

N.Y.でみたこのミュージカルなんやったかな。