舞台映像 劇団Piper ひーはー 細やか設定や小道具をすべて拾い上げて笑いに変える天才的おもし | 気むずかしい いろいろ

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副音声のキンコン西野が言うててたが、

芸人のコントや漫才は、オモシロイはあるけどワクワクはしない、と。

Piperの芝居には、オモシロイとワクワクする!がある、と興奮していた。

 

たしかにそうだね。劇中に「ん?」と小さくひっかかる部分があって、

その「ん?」があとからあとからつながっていく。

話が枝のように分散したかと思ったら、伸びた枝が別の枝とからみあったり。

伏線とはちがうけど、あちらこちらに仕込まれたネタが、すべて拾われて笑いにつながる。

目を離すと見逃してしまう、ちょっとした回収もあったりして、

これは2回目以降も楽しめるお芝居だった。

緻密に計算されたお笑いネタの連続だった。もう職人技!

 

まさか冒頭に出てきた「クロード・チアリ」が、最後にこんなに効いてくるとは。

それよりも、Piperの舞台はこれがはじめてだったから、

あの3人が家族だという設定だと理解するのに結構時間かかった(笑)。

 

田舎の西部風のステーキハウスを舞台に、4組の人々が舞台上ですれ違うバタバタ劇。

ステーキハウスに暮らす3人の家族。

突然、アメリカからギターリストが家に泊まるに来ることになり、ステーキハウスを再開する準備にかかる。

イベンター二人組。

クロード・チアリをアメリカから招聘したはいいが、会場に向かう途中で車で事故をおこしてしまい。

クロード・チアリを殺してしまったと焦り、車をしてステーキハウスに逃げ込む。

西部劇風サバイバルゲームを企画したおっさん二人組。

ミクシィで募った仲間と、ステーキハウスで西部劇風サバイバルゲームを無断ではじめる。

軍人1人。

ステーキハウスに暮らす家族の女・みづほに10年前、旦那・ひろゆきを殺してくれと頼まれた手紙をもらい、その依頼を実行するためステーキハウスを訪れた。紙に書かれたことした実行できない。

 

この4組が、ステーキハウスで出会い、お互いの存在を勘違いしたまま話がすすむ。

そして最後に無理矢理(笑)、4組がつながり話が収束する。

 

見落としたり、忘れてしまいそうな小さな設定や小道具でさえ、

後で笑いとなって拾われる。これがほんまにおもしろかった。

 

♪もてぎくん~~、歌い方が、憎そくて、憎そくて(笑)。

頭から離れんわ。

 

これは生でみたかった。

2007年か、、、。

毎日「ぶっころす!」って叫びながら、深夜まで仕事してた。

そんな余裕は微塵もなかったか。

 

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レンタルDVDには特典映像がたっぷり入っていて、

「ひーはー」の公演前に、“What’s Piper?”というイベントがあって、

その模様が30分ほど収録されてた。

 

山内さん紹介されて登場するなり、平田敦子に水ぶっかけ、

「おそい!」とキレてお盆を床にたたきつけてた(笑)。

怖い、怖い。

 

稽古風景でも、平田敦子へのカラミが怖い(笑)。

副音声で山里と西野がほとんど触れなかったのが山内さん。

芸人にすごく優しいといいながら、コメントが少なくぜんぜん会話してなさそうだった。

やっぱり近寄りがたい雰囲気なんだろうな。

 

西野が「山内さんの関西弁、なんかオモロイねん」というてたが、私も同意。

“なんか”の理由がまだ「音」としか答えがでない。

 

小劇団のおもしろさと、味方がよくわかったお芝居だったわ。

深く考えなくても、楽しめて、笑えたらいんだけど。

 

この関西小劇場の俳優たちが吉本興業とマネージメント契約している理由がようやくわかった気がする。

お互いに刺激になるんだな。

 

おもしろかった。返却前にもう1回みよう。

 

 

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2007年公演

作・演出:後藤ひろひと

音楽:山内圭哉

振付:竹下宏太郎

出演: 川下大洋、後藤ひろひと、山内圭哉、竹下宏太郎、腹筋善之介、楠見薫、平田敦子、水野美紀、片桐仁