立憲民主党が今日の午前に岸田内閣に対する不信任決議案を衆院に提出しました。自民党派閥の裏金事件を受けた政治改革を巡り、岸田政権の再発防止策は不十分で国民の信頼回復は進まないと判断したようです。

 

いつもの通常国会の終わりに繰り返される風物詩のようなものですが、今年は自民党の酷さが際立っていますから、日本維新の会や共産党、国民民主党などが賛成する方向ですから、与党からの反逆議員が出ても不思議では無いと思うのですが。

 

2000年の森内閣に対して野党が提出した内閣不信任案。これに加藤紘一氏などが同調し、森首相の退陣を画策した「加藤の乱」。派閥解消の強硬や清話会に対する処置などで、岸田首相に対して反発する議員は多いと思いますが、この時のように反旗を掲げて岸田首相の退陣を求める議員は出てこないのですかね。清話会の半数が賛成すれば可決できるのですが。

 

与党は今日の午後、衆院本会議で不信任案を否決しましたが、岸田首相は今国会での衆院解散を見送る意向ですから、国会は会期末の23日に閉幕することになります。結局この通常国会って何だったのですかね。

 

 

 

岸田首相は昨日の党首討論で、立憲民主党の泉代表に対し、憲法改正の前進に応じるよう突きつけました。衆院憲法審査会での改憲案の条文化の議論は立民の抵抗で膠着状態に陥っています。首相は注目度が高く、「逆質問」も可能な党首討論を活用し、どの党が改憲を妨げているのかを国民に可視化するとともに、自らの改憲への覚悟を強調する狙いがあったのではないかと思われますが。

 

自民派閥の政治資金パーティー収入不記載事件などの質問で防戦気味だった首相は、討論開始から約18分頃、突如として「憲法改正で責任のある対応をお願いしたい」と改憲の話題を切り出しました。これには、泉代表も不意を突かれたようで反論が出来なかったように見えました。憲法改正に非協力的というよりも一歩も進ませないという立民。ここでは一本取られたようでした。

 

そして、岸田首相にとっては、総裁任期中に会見すると打ち上げていますから、できないのは立民が悪いと印象付けになりますね。改憲は絶望的という大勢の見方ですから、これ以上議論を動かせないままでは、秋の総裁再選をうかがう首相には致命的な打撃になります。側近議員も「改憲を進め、求心力を回復するしか再選のシナリオはない」と危機感があるようですから。首相も憲法改正はやらなきゃいけないとは思っているようですができないことも間違いなさそうですからね。

 

今回の党首討論は、一般評価として引き分けのようですが、面白くない党首討論で、短時間で終了というのがいろんな人の評価でしょうか。