どうもイメージが違うのですが。米国の議員たちは、本当に岸田首相の演説が聴きたかったのですかね。共和党議員からは、拍手が無かったようですけどね。京都大学大学院教授の藤井聡は、今回の訪米で、岸田首相は米国の子分になり下がったと痛烈批判でした。

 

訪米中の岸田首相が米議会上下両院合同会議で演説し、日米同盟強化や「自由」「民主」「人権」「法の支配」といった普遍的価値の重要性を訴えました。日本周辺をはじめアジア各地で覇権主義的行動を強める中国や、ロシアによるウクライナ侵攻など国際社会の緊張が高まるなかで、首相の訴えについて共感されたのでしょうか。

 

米議会での演説に臨んだ岸田首相は、冒頭「日本の国会では、これほどすてきな拍手を受けることは、まずありません」と大変嬉しそうに答えました。これは本音でしょうね。国内では「政治とカネ」の問題や国民の負担増路線などが、厳しい支持率低迷ですからね。

 

2015年の安倍元首相以来、日本の首相として5人目となる米議会演説でしたが、岸田首相は「最も親しい友人、トモダチとして、日本国民は米国と共にある」「日米同盟の抑止力は、かつてなく強力だ」などと述べ、国際秩序維持への継続的な関与を求め、国際社会が「新たな挑戦に直面している」と指摘し、中国の脅威などへの対峙を呼びかけました。

 

この演説について、国際政治に詳しい中央大講師の川上高司氏は「日米間の外交、安全保障などの現場で積み上げた実績を『紹介』しただけで、中身のない『お祭り騒ぎ』に感じた。自衛隊の『統合作戦司令部』設置や、在日米軍の機能強化着手は重要なトピックだが、脅威が高まるなかで指揮統制に課題を抱えた現状を浮き彫りにしている。米国政界や有識者らは『次の日本国首相』『トランプ政権の可能性』を見据えており、岸田首相の発言に説得力を感じなかったようだ」と手厳しい評価でした。

 

また、福井県立大名誉教授の島田洋一氏も「議会演説は総花的になりがちだが、台湾防衛や、北朝鮮の日本人拉致など、最重要課題への踏み込みが不足していた」と指摘し、「最大の焦点である『中国の脅威』を挙げる前に『気候変動の脅威』を語った。順序が逆だ。また、安倍氏を『盟友』『9年前の米議会演説に深く感銘を受けた』と紹介したが、それならば『台湾有事は日本有事で日米同盟有事』と喝破した安倍氏の言を引用し、日本も主体的に参加する抑止力強化を訴えるべきではなかったか。拉致問題にも、軽く触れただけだった」と。

 

対北朝鮮政策ではバイデンはトランプの逆張りですから、拉致よりも国交正常化が優先でしょうから、拉致問題を取り上げるのは難しかったかも知れませんが、米国のバックが無ければ拉致被害者が帰ってくる可能性は少ないでしょうね。

 

私は、演説の内容はほとんど知りませんし、知ろうとも思いませんが、誰でも話せる当たり障りの無い内容を述べたに過ぎないものだったのではないかと思います。そして、日米のグローバルな関係強化と騒いでいたようですが、いつまで経っても、日本が軍事侵攻された場合、米国は本当に助けてくれるのだろうかという疑問が拭えず、バイデンを喜ばせるだけではないかと思います。

 

真に日米同盟を深めるためには、まず憲法9条を改正して、日本が普通の国にならなければ不可能だと思います。まあ、バイデンに肩を叩かれて喜んでいるのが岸田首相なのでしょう。さて、これで6月の解散総選挙の布石になったということなのでしょうかね。