「だから、言わんこっちゃない」。結局、韓国が日本に接近し日韓関係が改善に向かうというのが、如何に夢物語だったのか、バレてしまいましたね。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権に対する中間評価と位置づけられた総選挙(定数300、任期4年)の開票が終了しました。

 

保守系与党「国民の力」は系列政党を含め108議席にとどまり、前回2020年に続いて惨敗しました。革新系最大野党「共に民主党」が175議席を獲得し、大きな差を付けて完勝し、第1党となりました。野党側が議席の過半数を占める「ねじれ」状態が、2027年の尹氏の任期満了まで続くことになります。

 

両党のほか、文在寅前政権で法相を務めた曺国(チョ・グク)氏が代表の革新系新党「祖国革新党」が12議席を獲得し、革新系勢力は全議席の5分の3を超えることになりましたが、大統領の弾劾訴追や憲法改正案の可決が可能となる3分の2(200議席)にはかろうじて届きませんでした。

 

尹大統領は、秘書室を通じて「国民の意思を謙虚に受け止めて国政を刷新し、経済と国民生活の安定のために最善を尽くす」と表明しましたが、韓国政治はこれまで以上に混乱することになるでしょう。

 

韓国の新聞各紙は、社説などで尹氏の国政運営方式を与党の敗因に挙げたり、尹氏の言動が「一方通行」で、自ら議論を起こした問題に対しても「何の釈明もせず、会見も開かなかった」と批判記事が並びました。また、「野党と積極的に協力しなければ、正常な国政運営は難しくなった」として、政治姿勢の転換を求めています。

 

また、現政権で、対日関係の改善に貢献した知日派の重鎮議員らが相次ぎ落選したことで、今後の日韓関係にも影を落としそうです。現政権初期の外相で、いわゆる徴用工訴訟問題に対し韓国政府主導の解決策を提示した朴振(パク・チン)議員や、韓日議連会長を務め、次期国会議長の有力候補だった鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員も敗れましたから。

 

尹錫悦大統領が誕生し、日本のマスコミを中心に、これで日韓関係は改善が進むと見ていた人たちは、今回の結果をどのように受け止めるのでしょうね。先ずは、尹錫悦政権下でも、日本の民間企業に初めて損失が出た、いわゆる徴用工問題は、また振出しに戻るのでしょうね。そして、日韓基本条約違反も続くことでしょう。

 

でも、これが韓国なのです。ちょっと親日系の大統領が誕生したくらいで、韓国国民の多くも親日になるなんてあるはずもない。また、日本製品ボイコット、慰安婦問題の再燃、そして尹錫悦大統領の竹島上陸だってあり得るかも知れませんね。

 

今、岸田首相は米国の国賓待遇で有頂天ですが、日米韓の関係も文在寅大統領時代の状態に戻ることでしょう。バイデン大統領に、韓国との関係改善を押し付けられて、どうするつもりなのでしょうね。やはり、日韓関係は、そんなに簡単に改善するはずが無いという、これまで何度も言われてきたことを痛感することしかできないのでしょうか。

 

日本でも、このまま岸田政権が続くようであれば、次期総選挙では与党自民党が惨敗だって十分あり得ますが、さすがに韓国のように左派政権誕生とまでは行かないでしょうが。