静岡県の川勝平太知事の任期途中での辞職表明に伴う知事選に、元総務省官僚で、同県副知事も務めた大村慎一氏(60)が8日、立候補すると表明しました。出馬表明は大村氏が初めてです。

 

報道では、川勝知事が辞職する考えを表明する直前、立憲民主党の県連顧問を務める渡辺周元防衛副大臣に連絡し「あなたやってくれますか」と事実上の後継指名を打診していたようですが、突然の相談に対し、渡辺氏は「こちらは国会が開かれている」と回答を避けたそうですが、川勝知事が都は懇意だそうですね。

 

渡辺氏は衆院当選9回で、過去の静岡県知事選で出馬が取り沙汰されたこともあり、平成29年6月の知事選の際は、川勝氏が出馬しない場合、自身が立候補する意向を明言。当時は川勝氏が3選を目指して出馬に踏み切ったため、渡辺氏の民進党県連(当時)は川勝氏を支援しました。

 

また、国民民主党の榛葉賀津也幹事長(参院静岡選挙区)は、出馬の可能性が取り沙汰される次期静岡県知事選への対応を問われ、玉木雄一郎代表を支える立場として「与えられた職責を全うしていきたい」と述べましたが、一方で「いろいろな方面から声をいただいているのは事実だ」とも明かしています。

 

そして、自民党の細野豪志氏も、意欲があるのではないかと見られているようですね。二階幹事長に拾われ、自民党に入党することで、何とかせいじかとして生き延びていますが、国会議員としては先が見えず、ここらあたりで知事に転出することも良いのではないかと思っているのかも知れませんね。

 

また、元浜松市長の鈴木康友氏も出馬の可能性があると見られているようです。そして、静岡県では、ススキ自動車の創業者であり、現相談役の鈴木修氏が絶大な影響力を持っているようですから、鈴木氏の意向が誰なのかが重大問題でしょう。川勝知事がここまでリニアに反対を続けた裏にはJR東海に対する鈴木修氏の強烈な反発が原因だとの話もあるそうですから。

 

鈴木修氏の意向を静岡県では誰も無視できない理由は、自動車会社という大会社であり、協力会社や下請け会社の広がりが大きく、これが選挙では票に直結するためなのです。なので、誰が次期知事になったとしても、劇的にリニア対応が変わるはずが無いと見られているようですね。

 

川勝知事が辞職を撤回するかもしれないなどと言う可能性に言及している人も居るようですが、まあそこまでは無いにしても、鈴木氏の影響を受けない新知事が当選するのかどうか、注目せざるを得ないですね。

 

既に立候補を表明した大村慎一氏や鈴木康友氏は、鈴木氏べったり。渡辺周氏は鈴木修氏の手の中。榛葉氏や細野氏にはどの程度の影響力があるのかは判りませんが。いずれにしてもこれで計画が大きく前進する可能性はそれほど大きくないかも知れません。