昨日、SONPOホールディングスのCEOが、ビッグモーターとの関係で辞任を表明しました。本人は全く関与していなかったとのことですが、組織のトップとして当然の辞任ですね。でも、自民党の政治資金パーティー問題の最高責任者である岸田自民党総裁は続投。民間と同じ対応をするなら、総裁を辞任するだけではなく、国会議員も辞職することになるのではないかと思います。

 

それにしても、自民党はボロボロですね。次々と派閥離脱者が続いていますが、本当に派閥が悪の根源なのか。何か、派閥さえ抜ければ禊が終わると言いたいようです。そして、宏池会からは党役員が出ていますが、清和会は見事に外されています。今回の派閥解消は、岸田首相が清和会に喧嘩を売ったという見方もあるようですが、少なくとも現状ではそうなっているようですね。

 

派閥が解消されれば、国会議員が完全にバラバラで政治活動などできないことは、議員だけではなく国民だって解っているでしょう。そこで、派閥に代わるものとして、『政策集団』なるものへの衣替えを目論んでいるようですね。ということは、これまでの派閥は『政策』を討論する『集団』では無く、集金と人事が目的だったと認めているのですね。

 

では、新しい『政策集団』とはどういうものなのでしょうか。日本は民主主義国家ですから、何かを実現するためには考え方を同じくする仲間が大勢必要です。そこで、政策を掲げて『この指止まれ』で仲間を募ります。そして集まった人たちで代表者を決め、その人を自民党総裁候補にして総裁選を戦います。これに勝てば、与党なら首相に選ばれて、政策実現を目指すことになります。でもこれが本来の『派閥』の姿では無いのでしょうか。

 

今の派閥は、実現したい政策があるかどうかでは無く、多くの初当選者はどこかの派閥に所属します。その選択は、政治家に誘われたとか、選挙で応援してもらった、また選挙資金を貰ったなどで、政策の一致は選択理由としてほぼ無いでしょう。清和会が大所帯になったのは、安倍政権が長く続いたからでしょうね。

 

で、岸田首相は「金・人事」しか機能が無い『派閥』の廃止を独断で決めました。そして『政策集団』にすると宣言しました。これは政治資金パーティを禁止すれば金の問題は片付くと考えているのでしょうね。後は首相が独自に人事をやれば良いと言うことなのでしょう。でも、首相が独自に最適な人事などできるわけがありません。400人に近い党員全員の能力を把握などできないですからね。

 

長谷川幸洋氏は、『政策集団』にいろんな疑問を示していますが、その中でこんなことを言っていました。『政策集団』は政策を検討するのだから、その内容を纏めた「政策集」を作成し、説明会とか勉強会という名目で開催し、参加費を徴集するとか、「政策集」を纏めて販売すればどうなるかと。例えば、1冊2万円で纏まった数を販売すれば、相当の資金が集まり、それを検討会に参加した議員が山分けすれば、今と何が違うのかと。

 

また、人事については、首相がいくつかの『政策集団』の中から、団長、事務総長、幹事を優先的に大臣、副大臣などに登用するとすれば、初大臣を目指す議員を『政策集団』の幹事に加えておけば良いと。

 

そして、『政策集団』で作り上げた政策集を実現するために、団長を総理大臣にするための運動をする。そして、これまでの『派閥』と同様、仲間を増やして党内の影響力を大きくして総理の座を手に入れる。結局今の権力闘争を『派閥』としてやるのか、『政策集団』としてやるのか。中身は同じだと思います。

 

今回の『政策集団』では、何をどう変えようとしているのかが全く解りません。また、清和会の福田達夫氏などは『派閥』廃止を声高に叫んでいますが、『派閥』廃止後に新しい集団を立ち上げるとか、訳の分からないことを言っていますが、派閥を廃止してもそれが長く続くと思っているとすれば、政治の世界が全く解っていないとしか言いようが無いですね。