フランス・アラカルト「ジャン・フェラ、アラゴンを歌う」 | トールペインティング スタジオアリス便り

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トールペイント作家&講師 Akiyo Horaguchi
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「フランス・アラカルト」の講座もいよいよシャンソンの世界へと。
第4回からは「フランス詩とシャンソン」について。ご講義下さるのは、前回に引き続き、慶応大学教授でフロベールの研究もされている橋本順一先生です。

「第4回 ジャン・フェラ、アラゴンを歌う」-

詩人ルイ・アラゴン(1897-1982)の詩に、歌手ジャン・フェラ Jean Ferrat (
1930-2010)が曲を作り、自ら歌ったという、隠れたシャンソンの名曲たちを取り上げての講義ですが、二人とも初めて耳にする名前です~(*゚.゚)ゞ
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詩人アラゴンが愛妻エルザに捧げた恋の歌から、"Que serais-Je sans toi qui vins à ma rencontre"『君なかりせば』、"Nous dormirons ensemble"『一緒に眠ろう』が教材となりました。
フランス詩については、日本語に訳された詩を読むばかりで、さほど心に響く詩に出会った記憶もありませんでした。
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先生から、詩の訳詩を読むだけでは、本来の詩が持つ美しいフランス語の音の響きや韻律を楽しむ事が出来ないとのお話も。更に詩を楽しむ為に、フランス詩の構造などについてもレクチャーがありました。
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例えば、12音節(アレクサンドラン)の詩...???ってわかりますか?
今回の課題曲『君なかりせば』の繰り返しの部分、
Que serais-je sans toi qui vins à ma rencontre
この1行は「ク| スレ|ジュ|サン|トワ|キ|...このように、12音節の詩は12の音で構成されているのだそう。知らなかった(*_*)
また韻律についても、12音節6行で構成されている部分が、すべて共通の法則で押韻となっているのですって。
この曲では、6行構成が3つでてくるのですが、1、3、4行で同じ韻を踏み、残りの2、5、6行では、また別の音で韻を踏んでいるそうです。
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これだけの回数の韻を踏みながら、一つの詩としてストーリーを作り美しい世界を構築して行くアラゴンという詩人、本当に美しいフランス語を操る言葉の魔術師だったのでしょうね。
シャンソンからフランス詩の構造まで、全くの未知の世界のようにも思えていましたが、私なりにですが詩の楽しみ方がわかったようで、嬉しい講義内容となりました。
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次回は「ジョルジュ・ブラッサンス、古今の詩人を歌う」-どんなお話が飛び出すのか、今からとても楽しみです。
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余談ですが、今日のフランスチーズは、ヤギのチーズとブドウの皮で包んで熟成させたチーズの2種を味わいました。ブドウの皮に接した外側は、黒カビ風に見えますが、ちょっと酸味があって美味しかったですよ。
フランス・アラカルトのおかげで、最近ヤギのチーズも大好きになってきました♪

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