月あかり | 76歳からの挑戦

76歳からの挑戦

★入院生活から一変したわたしの生活記録★

 

 「 お月さんは今夜は傘かぶっとうけん

 

 明日は雨じゃ 」

 

 

 母は何度も暗い外に出ては ひとり呟いていた

 

 「 仕事は行けんかも 」

 

 と また言うてる

 

 仕事に行かなければ死活問題や

 

 母はそれを気にかけているのだ

 

 

 わたしは何を言うすべを知らず

 

 でも切なさで月のひかりで潤んだ目をして

 

 母を見ているだけやった

 

 

 わたし 7歳のころ

 

 

 

🍒キラキラ星空

 

 

 

あれからずいぶん日もたったけど

 

月は変わらず いまは

 

わたしのベッドを

 

その明かりで照らしていた

 

やわらかくて あたたかい

 

月の明かりや

 

 

電気もつけず

 

カーテンもおろさず

 

月あかりだけにする

 

 

 

ベッドの頭の位置から

 

だんだん足元におりてきて

 

しまいには

 

床におりて

 

そして消えていくねん

 

 

わたしは

 

ベッドの端に腰かけて

 

そのあかりを取ろうとするけど

 

いつのまにか

 

跡形もなくなってるねん

 

 

そして

 

母のことを思い出す

 

 

いまなら言える

 

 

( かあさん 明日は雨じゃけん

 

ゆっくり家で休んだらええけん )

 

 

 

 

 

 

 

すぅ

ありがとう❤

感謝

 

 

 

 

 

 

 

 

星