計算式には意味がある。
4+1=5にもこの記号の羅列以上に、4に1を足したら5になる、あるいは5は4と1を合わせた数、といった意味を持っている。
これはあまりに極端に簡単な例であるため、大半の方が当たり前だと感じることだろう。
文章から式を作ることも式からその意味を理解することも出来るはずだ。
しかし、これで買い物などの文章問題を出すと、途端に分からなくなり式を立てられなくなる人が少ないながら一定数出て来てしまうのだ。
大人でも四則演算のかけ算割り算は足し算引き算よりも先に計算するという常識がない、抜けている人も少数ながらいる。
そのような事が壁として存在してしまう人は、解答者でなく出題者として計算式から文章問題を作る練習をすると少し改善されるかもしれない。
例えば、70+80×4=390。
これを文章題にしてみよう。
一例として、テストで国語を70点、その他4教科を80点取った。合計は何点か?
答えは390点。
これなら、きちんと式を理解しているといえるだろう。
しかし、同じ式で次のように理解してしまったら?
1個70円のオレンジと1個80円のリンゴをそれぞれ4個買った。
合計はいくらか?
答えは390円。
いや違う。
これでは600円となる。
これは、70+80×4を(70+80)×4と認識してしまったことによる間違いだ。
全体を見ずになんでもいいから前から計算してしまった間違いともいえる。
このような訓練をしていけば次第に式の意味を理解していく事が出来るようになるだろう。
時として、数学に限らず解答者の視点だけでなく出題者の視点も持つことで理解を深める助けとなるはずだ。
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也