夏なので、ソフトクリームの話題でも。
アイスにも色々分類があり、乳固形分と乳脂肪が関係している。
アイスクリームが乳固形分15.0%以上かつ乳脂肪8.0%以上。
アイスミルクが乳固形分10.0%以上かつ乳脂肪3.0%以上。
ラクトアイスが乳固形分3.0%以上。
氷菓が乳固形分3.0%未満という分類だ。
まぁ今回はこの分類とは一切関係なく、本題はズバリ「ソフトクリームの巻き方」である。
確かに、簡単そうに見えてやってみると中々大変な作業の一つといえるだろう。
調べてみると、失敗しない巻き方を拝見することが出来た。
が、やはり最後は経験がモノをいう括りで締められる。ま、保証なんて出来ないよね。
そこで私も自分なりに失敗しない巻き方を考察してみようと思う。
まずは、土台となるコーンの寸法を考えよう。
とりあえず円錐状の底面部分を考えるだけにしておく。
コーン自体の高さはそれほど重要ではないだろう。
底面の半径はおよそ2.9~3.0cmとして先に進む。
また、ここでコーンの持ち手となる包み紙は底面の2cmほど下から巻かれているとしよう。
次にソフトクリーム製造機から出てくるアイスの直径だが、断面が円状のものもあれば星状のものもある。
どちらにせよ、とりあえず半径1.0~1.2cm程度と仮定しよう。
つまり直径2.0~2.4cm程度ということだ。
これで仮定は終了、動かし方を考えていこう。
まず何故上手い人と下手な人が生まれるだが、観察してみるとなんとなくわかってくる。
円運動がぶれるかぶれないかの違いだ。
熟練した人は迷いなく一定のスピードでアイスを射出口から出し、一定の円運動を肩と肘を使って行い、ソフトクリームを完成させる。
何段でもいけそうな凄みを感じさせる。
正に経験の賜物であるが、そんな芸当我々素人には不可能です。
「こぼさないように」この言葉は、首筋に刃を突きつけられているかのようなのだから。
つまり、肩と肘の二軸を使うと初心者はキレイな円運動を行えないのだ。
ではどうするか。
何も二軸使わなければ円運動が出来ないわけではない。
一軸でも出来る箇所がある。
それは手首だ。
手首のみでも円運動は行える。
この場合コーンは傾くが、手首の可動域からしてこぼすほどまで傾かせることはないだろう。
粘性もあるので側面に沿って巻いていけるはずだ。
それでは、一体どの程度傾かせればいいのか。
ここで巻く時に回す軸の頂点はコーンの先ではなく、持ち手の感情線の辺りとする。
手を机の上に置き、巻くような動きを行うと感情線の辺りが頂点に近い動きになるのが確認出来るはずだ。
コーンの包み紙の一番上を持つようにすると、上記に書いた通り手の上にはみ出るコーンの高さは2cm。
手の平の幅は以前の記事から1パーム、大体7.62cm。
傾ける角度をxと置くと、
tanx=2.9/(2+7.62)
x≒16.8゜
となる。
しかし、求めた角度いっぱいに傾かせると倒した方と逆の側面に、落ちてきているアイスがぶつかってしまうアクシデントも起こりうる。
なので、落ちてくるアイスの半径の1.2cm、余裕をもって1.5cmとし、先ほどと同様に行うと、
tany=1.5/(2+7.62)
y≒8.9゜
となる。
x-y=16.8-8.9=7.9゜
これが、手首を傾けるべき角度となる。
後は落ちてくるアイスの速度と合わせてゆっくりと手首を回していけばよい。
気をつけるのはアイスの射出口からの距離だ。
長すぎるとアイスの動ける範囲が増し、手に負えなくなるので目算だがおよそ5cm程度下で準備しておけばいいだろう。
また、今回は手首のみを動かし肩と肘は固定のため高さの調節は膝を使い屈伸運動で対応することにしよう。
ここまで考えて、アルキメデスの螺旋や放物螺旋などが頭に浮かぶ。
……よし、忘れよう。それがいい。また別の機会に考えることにする。
今回の巻き方をまとめると、射出口の5cm下で待機。
コーンの中にアイスが落ちて、回すあたりになったら手首を7.9°傾け、肩と肘は固定し手首のみを回しながら渦を作っていく。
その際、高さ調節は膝で行う。
実際はコーンの形状や手首の可動域などにより、正確にはいかないであろう。
螺旋関数を用いての巻き方を考えたい人はぜひ挑戦していただきたい。
それでは今回はこれにて。
皆様の楽しいソフトクリームライフを願うばかりだ。
数学者・サイエンストランスミッター
平間達也