これから歯科医院を開業する方・新規出店する方にとって内装工事費の相場感というのは気になるところでないでしょうか?
内装工事費は開業・出店コストの中でも1/3~1/2以上を占める重要な項目です。
つまり、半分は内装工事費であるとも言えるのです。
歯科医院はクリニックという性質上、ほかの業種に比べ、
価格も高額になりがちです。
また、立地・ターゲットとなる客層に合わせて内装デザインも変わってきます。
そうは言っても内装工事費は誰もが抑えたいと思うのが正直なところでは無いでしょうか?
内装工事費を削減して発生した余剰金は、いかようにも活用が可能です。
たとえば、人材の採用にもです。
さて、今回は歯科医院の内装工事費について、解説していきたいと思います。
内装工事費とは、内装の仕上げや空調、給排水工事・ガス工事など、内装工事業者に発注する工事内容のことを言います。
場合によっては外装工事も入ります。
歯科医院の場合、内装工事費の一般的な坪単価は35万円〜60万円と言われています。
では、見積に計上されることが多い工事を種類別に見ていきましょう。
①仮設工事
仮設工事とは、工事をする前の準備工事のことです。例えば、塗装工事などで、周囲にペンキが飛ばない様マスキングすることを養生と言いますが、これも仮設工事に含まれます。
会社によっては、廃材の処理費用、施工完了後の清掃費用などをこの項目に計上している会社もあります。
②内装工事費
内装工事費は内装の仕上げ工事のことです。壁や天井であればLGS(軽量鉄骨)と呼ばれる下地の鉄骨の設置から、壁となる石膏ボード、そして最終的な仕上げとなるクロス(壁紙)などです。床であれば、下地となるモルタルと仕上げ材のタイル、フロアタイルやクッションフロアなどがそれに当たります。
③塗装工事
塗装工事は内装工事と同様に仕上げ工事となりますが、内装工事と区別することが多いです。場所としては、壁や天井の一部、建具や手すりなどの鉄部の塗装がそれに当たります。
④造作工事
造作工事は内装工事に含まれることもありますが、会社によっては個別に計上してきます。大工が現場で作業して何かを作ったり、加工することを「造作工事」と言います。
⑤建具工事
建具工事とは、開口部に設置する扉や窓の工事のことを言います。
⑥空調設備工事
空調設備工事とは、空調機の設置とそれに伴う配管類の工事です。
空調機には室内機と室外機があり、それらをつなぐ配管があります。
また、排水を処理するための排管の設置も空調設備工事に含まれます。
空調機自体は高価です。新規で購入すると一台50万円~が一般的な価格のため、居抜きで活用できれば効率的です。
⑦電気設備工事
電気工事は分電盤の設置や配線工事が主になる。表に見えてこない部分なので、イメージがつきにくいかもしれません。
また照明器具の設置も電気設備工事です。
歯科医院の場合、診療に使う機器が様々であるため、
動線を意識したコンセントの配置が重要です。
⑧給排水設備工事
給排水設備とはトイレ周り、診療代周り、それに関連する排管関係などの水回り全般を指します。
⑨防災設備工事
消防法に基づく設備機器の工事費用です。
物件の用途や規模によって必要となる設備機器が異なるため、
一概には言えませんが、火災報知機と連動する感知器(煙感知器、熱感知器)は殆どの物件で必要です。
また所轄の消防署への届け出や検査費用も必要となるでしょう。
⑩サイン工事
サイン工事は看板工事です。歯科医院であっても、
集客上かなり重要になってきます。
素材や作り方により価格は様々です。
⑪諸経費
諸経費は現場の管理費や事務員の作業費、備品の購入費など、内装工事業者の利益となる項目です。
一般的には内装工事費の10%程度の相場が多いでしょう。
【最後に】
内装工事について理解し、知識を付けることは、経営者にとって大きなメリットです。
しかし、どこまで専門的に知識を付ければいいのという疑問もあるのではないでしょうか。
私は今回記載した内容がなんとなくわかっていればよいと考えています。
大事なことは、見積金額が客観的に見て妥当であるかということです。
当社ではそのような経営者の方へ、見積のセカンドオピニオンとして、
品質維持をしたままの初期費用削減をお手伝いしておりますので、
何かあればお気軽にご相談ください。