「来年のことを言うと鬼が笑う」という。
常々人を笑わせたいとは思っているけど笑われたくはない。ましてや鬼に笑われるのはもっての他なので、去年のことを言おう。
去年の暮れの話で恐縮。
SMAPの草薙クン主演で「犬と呼ばれた男」というスペシャルドラマが放送された。
彼が扮するのは、<天下の悪法>と評価される「生類憐れみの令」を発布した徳川第5代将軍・徳川綱吉。
このドラマの視点はとても斬新で、「生類憐れみの令」とは巷間言われているように<戌年という縁起をかついで犬を過剰なまでに保護し、民衆の生活を困窮せしめた>悪法ではなく、のちに<天下の美談>として語り継がれる「忠臣蔵」の仇討ちを目の当たりにした綱吉が「忠義であろうが何であろうが、人殺しは人殺しだ。理由はなんであれ、殺生は許さじ」として想起したものだ、というテーマで描かれていた。
この視点には目からコンタクトが落ちた。いや、コンタクトは装着していなかったので実際落ちはしなかったが、少なくともボクの目にはウロコなどついていないので、落ちたとすればコンタクトだろう。
幼少の砌(「みぎり」って、こんな字を書くのね)、生類憐れみの令について学校で教わったとき、たしかに「とんでもなくバカげた法律」だと前置きして教えられた。
たしかに、実際にそうなのかもしれない。自らの嫡子に恵まれなかった綱吉が、犬を大事にするようにとの僧侶の進言を容れたとの説は実際有力であるし、ドラマはエンターテイメントとしての要素を優先して構築されたものだとすれば、その視点によって評価をゆるがせるべきではないのかもしれない。
でも、やはり教育の現場でイタイケな(今回はイタイケ論議はしません…)子供に「天下の悪法」という<評価>をセットで植え付けるのは、今から考えれば大きなお世話だったんじゃないかとも思うんだよね。
「第5代将軍・綱吉は、こうこう、こういう法律を出しました。みんなはどう思う?」という議論を持ちかけてもよかったんじゃないかと思う。
それはそうと、
<天下の悪法>と言えば「個人情報保護法」。
これ、どうよ?
おかげで仕事がやりにくいったらありゃしない。
データの管理がめんどくさいのめんどくさくないの!
昔、クイズ・タイムショックの問題で、「暑いの暑くないのって、暑いの?暑くないの?」ってのがあったが、めんどくさいのめんどくさくないのって、めんどくさいの?めんどくさくないの? 「めちゃくちゃめんどくさいに決まっとるわっ!」と回答したくなる。
この法律のおかげで、日本全体の生産効率は少なくとも20%は落ちてるよね(当社比)。
んなもん、個人情報を「違法に入手して」「違法に使用した」ヤツらを厳しく取り締まる法律にすりゃいいじゃん。
「節税対策としてマンションの購入はいかがでしょうか」というセールス電話がかかってきて、「私の連絡先をどこで入手したんですか?」と聞いたら、「個人情報保護法の関係で、お教えできません」と言われた、という笑い話にするしかない話を聞いたけど。
「個人情報<過保護>法」、いずれ「天下の悪法」と評価される時代が来るのだろうか。