昭和54年4刷、いよいよ化政期(文化・文政期)を経て幕末・明治と相成ります。高校ではこの化政期、江戸末期の文化がらん熟した退廃的な時代と教わりましたが、本書によればそれは誤りで江戸庶民のマグマのように溜まったエネルギーが一気に吹き出した時代と見た方が妥当のようです。とはいえ恩恵に浴したのは町人のごく一部で、前巻でご紹介したように江戸には多くの下層民が流入していました。【江戸の出稼ぎ人】はその実相を明らかにします。身を粉にして働いてかつかつその日の糧を得る人々が大勢いたのです。
そんななかで落ちこぼれる人々もいました。浪人や無宿人がそうです。中には最低限の食を獲んがために○人に身を落とした人も多かったとのことです。【アウトローの正体】ではそうした人々の姿をあからさまに描き出します。
続く【流行神】は民俗学者の宮田登さんの手になるもので、流行っては廃れを繰り返す不思議な神さま「流行神」と江戸庶民の宗教生活を興味深く説きます。
【幕政批判の情報】【寺子屋と往来物】も面白かったですが、【明治の東京】は要注目です。江戸と明治はきっぱり断絶している訳ではなく、前者が後者に吸収されているという視点が新鮮でした。江戸を知るにはむろん【江戸三百年全3】では不充分で、他の本を読まなくてはなりません。ですがこの本は知らなかった視点を教えてくれる良書だと思う次第です。古本で3冊1000円で入手できるでしょう。
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