2018年初版、なかなか刺激的なタイトルです。これはかつて地上に存在した25種ほどの人類のうち我々ホモ・サピエンスだけが生き残ったという意味です。その間の歴史、700万年。更科先生は進化論をベースにわかりやすく解き明かしてくれます。

以前ご紹介した「人類進化の700万年」(講談社現代新書)・「ヒトの進化七〇〇万年史」(ちくま新書)よりも新しい知見が示されています。例えば、かつてのジンジャントロプス・ボイセイとパラントロプス・ロブストゥスの「頑丈型猿人」はパラントロプス属に入れられていましたが、これはやはりアウストラロピテクス属にした方が良さそうだとか、「小さな人類」ホモ・フロレシエンシスが滅亡したのは12,000年前ではなく50,000年前とすべきだといったことです。

簡単な例え(ゲーム理論というのでしょうか)を使って進化の謎を解き明かそうとする更科先生の口調はスリリングですらあります。人類学・進化論に興味を持つ方にとって必読の一冊といえるでしょう。

本日もお付き合い下さりありがとうございます。