享徳の乱から豊臣秀吉の小田原攻めまで150年です。巻末の年表を見れば分かるようにほぼ毎年戦に明け暮れています。理由は単純、「一所懸命」の領地を争うか「家督」の地位を争うかです。それがなぜ「複雑怪奇」になるかというと一族あい別れて実力者(関東管領上杉氏など)の下につきボスはさらに高貴な血族(古河公方足利氏など)をかついで錦の御旗とし、実力の伯仲する相手方と戦うからです。裏切りと下克上の風潮が事態をさらにややこしくします。
登場人物のほとんどが戦乱の中に生をうけ戦乱の中に死んでいきます。読んでいて悲しくなるほどです。ですが一方で思うのです。板東武者たちを野蛮人と現代の我々は笑えるのか、彼らに比べて恥じない生き方を自分たちはしているのかと。
今日もお付き合い下さりありがとうございました。