2024年初版、神聖ローマ帝国(962~1806)の844年に及ぶ通史です。かつて講談社現代新書「神聖ローマ帝国」菊地良生著を取り上げた際、新書で通史は他にないと申しましたが趣の違う本が出ましたので早速読みました。

「ローマ教皇によるオットー大帝の戴冠から、イタリア政策、叙任権闘争、三十年戦争の混乱を経て、フランス革命とナポレオン台頭、帝国の解体まで」と帯文にあります。菊地先生のは全般的に読み物として面白かったのに対し本書は「教皇と皇帝の関係」「帝国国制の変化」という2視点から帝国存続の秘密を読み解こうとするところに特徴がありました。終章「神聖ローマ帝国とは何だったのか」が知識の整理に役立ちます。いずれが上というのではなく、数冊概説書を読んではじめて基礎的な学力がつくのだと思った次第です。

本日もお付き合い下さりありがとうございます。