2018年初版です。聞いたことのない出版社でしたが『北朝の天皇』を面白く読んだ僕としては同じく石原先生のご著書ということでアマゾンの「お薦め」を躊躇なく購入したのでした。本書は主に足利将軍の権力構造を丁寧に解き明かしたもので論文集を一般向けにリライトしたものです。先学に学び史料を読み込み仮説を立ててそれを論証していくさまはあたかもミステリの謎解きのようで楽しめました。その過程でいかに多くの「通説」が最新の研究によってひっくり返されたかは驚くほどです。また一般に受けの良い「新説」も案外当てにならないことがあると知りました。終章の「足利将軍家とは何だったのか」は歴史好きの方にオススメです。