元日の大地震には本当に驚きました。学生時代の友人知人が何人かいる地域です。なんとか無事であってくれるよう祈っています。
さて、新年一冊目の読了本は「太平記の群像-南北朝を駆け抜けた人々」です。南北朝史の著名な研究者である森先生が今まで国文関係でのみ取り上げられ国史関係ではほとんど顧みられることのなかった『太平記』を史料として読み解こうという試みが本書を生みました。森先生の文章は緻密で実証的です。誇張・偏りの多い『太平記』を他の史料と突き合わせて丹念に丹念に読み込んでいきます。知らず知らず引き込まれていくのが快感です。小学生のとき夢中になって読んだ子供向け『太平記』の面白さをいつか思い出していました。南北朝時代、一筋縄ではいきませんがまたとなく面白い時代であることは確かです。