集英社文庫コバルトシリーズの一冊で僕が買った初めての怪奇幻想小説になります。昭和54年初版で帯文に「幽霊の存在を信じる、心やさしき女のコに…」とあります(笑)。小学校6年のことでした。収録作品はコリア「人花」ジェーコブズ「猿の手」ポー「赤死病の仮面」トウェーン「幽霊」ブラッドベリ「骨」クリスティー「ランプ」マリヤット「人狼」モーパッサン「手」ゴーゴリ「妖女」の9篇です。文豪・実力派の代表作がバランスよく収録されています。訳文も読みやすく、よくこなれていてしかも原作の味を損なわない良文だと思います。訳者で編者の武田武彦さんはかの江戸川乱歩のお弟子さんなのだそうです。初読の方のために内容については触れませんが、ブラッドベリの「骨」についてはSFの詩人がこれ程グロテスクな話を書けるものかと驚いたことを申し添えておきます。また未読の方には創元推理文庫「怪奇小説傑作集」全5巻に9篇のうち5篇が載っていますのでオススメです。
