一人一冊、全60冊の文庫版日本文学全集です。現在では全50冊のものが発行されています。コレクター根性発揮して初版帯付きを一冊700円見当で60冊コンプリートしました。その57巻、解説は故・杉浦日向子さんです。半七捕物帳・三浦老人昔話・青蛙堂鬼談・修善寺物語と代表作がほどよく採られています。これから光文社時代小説文庫やちくま文庫に手を伸ばそうという方々には良い手引きになるものと思われます。近頃は再びの江戸ブームで僅かな例外を除くと読みごたえのある作品が少ないように思います。実際の江戸を知っていた綺堂と稲垣史生の下で時代考証に励んだ日向子さんにはかなわないということでしょうか。