
原作: 花沢健吾 監督: 佐藤信介 脚本: 野木亜紀子
キャスト: 大泉洋、有村架純、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、徳井優、長澤まさみ
原作既読(途中離脱)。序盤はめっちゃ面白かったけど、話が進むに連れテンポが悪くなって退屈になった。
ウォーキングデッドもそういう理由で離脱したんだが、やっぱゾンビものは強いインパクトを残して、短く終わってくれるほうが好き。
●満足度:80点
コミカルなテイストはあるものの、かなり硬派なゾンビアクション。
近年では日本はもちろんのこと、海外作品でもゾンビを恐怖の対象として扱うことに限界を感じ、ゾンビといえばコミカル路線という傾向が強くなっているように思えたが、本作「アイアムアヒーロー」は違う。
コミカルでありながらも悲哀を持ち、それでいて世にもおぞましいものとしてしっかり描いている。
本作に出てくるZQN(ゾンビ)には本当に近寄りたくないと思わせてくれる。
原作で一番好き(怖い)なのは、「てっこ(彼女)の変貌」と「狂気の職場」のシーン。
そこで、気になった改変点について少し書く。
英雄(主人公)とてっこを同棲していることにしたのは、話運び上問題ない。
しかし、てっこのキャラクター改変は謎。普段は、穏やかで物分かりいいように見えて、それが逆にイラつかせるというキャラクターが、やたらヒステリックで頭の固いキャラクターに改変されている。そのせいで、変貌した際のギャップと悲哀が大分薄まってしまっているのが残念。その後のおぞましい動きとアクションは素晴らしかった。
職場でのシーンは、映画でも恐ろしくって塚地のヤバさに逃げ出したくなる。バットでゴンゴンするときの音も痛そうで、目をそむけてしまいそうだった。 漫画では、このキャラがゾンビ化していない人間まで殺したのでは?ってとこで、かなりゾッとさせられたんだが、そこをカットしちゃったのは勿体ない。
さて、別に漫画ファンでもないし、あとはそこまで細かく覚えてないので比較はこの辺にしておこう。
120分超えの作品で、主人公の覚醒までの時間(逃げちゃダメだタイム)が長いのは、イライラさせられる。
とは言え、緊張感はぎりぎりで保っていて、うんざりするギリギリのところで解き放たれる英雄君のシーンは、かっこよくて歓声をあげたくなった。製作者の意図通りに上手くジラされてしまった。
そこからの血みどろの死屍累々タイムは、なかなかタフなアクションが繰り広げられるが、気持ちが良い。
しかし、それも最初だけ。登場人物とともに疲弊し、感覚がマヒしてくる。
ここの感じもテンポは悪いが、演出としては悪くない。
しかも、ちゃんとボスキャラまで用意されているので緩急のあるゾンビアクション映画として楽しめる。
テンポの悪さと話のつまらなさには文句のつけどころは多いが、日本映画では硬派なゾンビ映画なんて見られないと絶望していた層(私も含む)には、大きな希望を与えてくれた、歴史に残る一本ではなかろうか。