【生活習慣を改善して脳力をアップさせる具体的な方法】序章
皆さん、今の生活を振り返るとパソコンやゲーム、携帯など、かなり電脳化されていますよね。食事もコンビニ弁当もしくはジャンクフードで、炭酸飲料水をがぶ飲み。しかもテレビを観ながら、メールを打ちながら。今では当たり前の食事風景ですね。このような食事では、本来、持っていた人間の原始的な感覚は、すっかり鈍ってしまいます。では、夏のキャンプでの食事を思い出してください。周囲にはセミの鳴き声と川のせせらぎ、ほほをなでる風、照りつける太陽。釣ったばかりの魚を焼くいい匂いがしています。現地の農家で購入した、もぎたてのキュウリやトマト。おいしくて、思わず食べ過ぎてしまった経験はありませんか。そして、どちらが「脳に良い食事」かは、明白ですよね。先の食事では、関心はメールもしくはテレビの画面と音声のみに向けられ、「視覚」と「聴覚」しか使われていません。キャンプの食事では、周囲の美しい自然の風景を眺める「視覚」、セミや川のせせらぎ・仲間の声が耳に入る「聴覚」、魚が焼ける匂いという「嗅覚」、ヌルヌルした魚や、冷たい水に触れる「触覚」。そして、獲れたての旬なものを味わう「味覚」という非常に充実した「五感」が使われています。
これら「五感」こそが脳を刺激し、活性化するキーファクターなのです。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の「五感」こそが、脳を刺激するキーファクターです。先にご紹介した、キャンプでの食事がおいしく感じられるのは、この五感がフルに刺激されるものだからです。脳に入力される情報は、すべてがこの五感によってもたらされます。人間の場合は、そのうちの80パーセントは視覚が占めています。まさに「百聞は一見にしかず」ですね!
では、その他の感覚はいかがでしょう。
犬と比較してみましょう。犬の嗅覚の中でニンニクを嗅ぎ分ける能力は、なんと人間の2000倍もあります。酸の臭いだと、人間の1億倍もの能力があるそうです。散歩に連れられた犬が、電信柱ごとにほかの犬の匂いをクンクンと嗅ぎ、縄張りを確認するのは見慣れた光景です。このように犬に限らず四本足の動物は、匂いを嗅ぎまわってエサを探します。
生存本能に根ざした行動を取っているのです。二本足になって、遠くを見渡せる視野を獲得した人間は、生存を嗅覚に頼らなくても済むようになりました。そのために嗅覚が退化したと考えられています。
嗅覚・味覚・触覚など、動物としての生存に直結する感覚を「原始感覚」と呼んでいます。視覚ばかりが発達した人間が脳を活性化させるには、この「原始感覚」を鍛えることこそ重要です。大脳生理学の研究では、ソフトウエアである前頭葉から発せられるゴーサインによって、人間が行動を起こすことが明らかになっていますが、この前頭葉は視覚刺激だけは活性化せず、嗅覚・味覚・触覚と"共感覚"的刺激を受けて活性化することがわかっています。こうした「生きもの」としての「原始感覚」が加わることで、「隠し味」が加わって素材の良さが引き出されるのと同様、人間として素晴らしい「味」が引き出されるのです。
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