にのちゃんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。




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汚れている





実際にあの人の手は、私を触ってる





ずっと落ちない






自分の無力さを改めて突き付けられた気がした。俺が認識されなかったあの時よりも。会えなかったあの時よりも。






どの時よりも今、いちばん…感じている。






汚れてなどいない、心から俺はそう思ってる。だけど。当事者である直生は、そうは思えない…思えるわけがないんだ。






深く落ち込みかけるけど。直生が、不思議なことを言う。





俺が触れた場所から、汚れが剥がれ落ちていく、と。






それは比喩表現だろうと初めは感じた。でも直生は、一生懸命に俺に伝えてくる。






触れる場所が、ふわあっとあたたかくなる。そこから、肌に染み込んでいたものがパリパリと割れて剥がれていく。そんなふうに直生は表現した。






まるで映画のCGだ。だけどそれを笑い飛ばすことなど出来ないほど、直生は真剣だった。






直生は俺を求めている。






応えることこそ、無力な俺にやれるたったひとつのこと。






「わかった」






今、直生の瞳の中には俺がちゃんと映っている。





解毒剤は、俺だ。






そっと後頭部を支え唇をとらえに行った時。直生が俺の胸をそっと押して抗った。






「あの……じ、自分で、脱いで、いいですか…?」






「…それなら怖くない?」






直生はこくんと頷いた。とても、真剣な顔で。





「いいよ」






直生はぎゅっと目を強く閉じてから、自分のパジャマの袖を抜いた。そして首回りをきゅっと掴んで頭を抜いて。そのままパジャマをくしゃっと胸に押し当てる。





「そのままでいい」





そう告げると、直生はふるふると首を横に振り。





そしてそっと、胸に押し当てた布を外した。