にのちゃんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。
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びしょ濡れになっている指をシーツで拭い、直生をぎゅうっと抱きしめた。
「直生?」
呼びかけても、直生は首にしがみついたまま首を振る。
「恥ずかしい?」
直生の動きがすっと止まった。背中をさすると、直生はゆっくりと頷いて。すぐ後に、また首を振る……
「どっちだよ」
つい、笑ってしまう。なんつーか……言葉で表すとしたら「可愛い」なんだろうけど…それだけじゃないような…なんともいえない、じんわりと俺を温めるような…不思議な感情だ。
今度は直生は強く首を振って。
「恥ずかしくはない?」
あれ、と訝しく思う。羞恥、だと俺は思ってるんだけど。
「……………ない……」
「え?」
「……………」
耳に飛び込んできた小さな声。その単語は俺の予想の範囲外で……まさか、と聞き返すけど、直生はもう繰り返さない。
【みっともない】
たしかに…そう言った……
ふつふつと湧き上がるもの。慈しみにも似て、怒りにも似ている、なにか。
「ばかだな……ほんっとに……」
抗う直生の腕を掴んで首から腕を外し、むぎゅ、と頰を両手で挟んで無理矢理こっちを向かせた。
やっぱり……
視線を合わせようとしない直生の目には、今にも零れ落ちそうなほどの涙がたまっていた。