にのちゃんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。



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会議が終わる予定の少し前からお湯を沸かしてカップを温めておく。





二宮さんはいつも時間通りに動く人だから安心して準備が出来る。





この日も当然のように、会議終了時刻の5分後、つまり移動時間だけ経過した頃に二宮さんは部屋に戻ってきた。





コーヒーをカップに注ぎ、私も向かい側に座った。





「何かありましたか?」





聞けば、二宮さんは少し眉間に皺を寄せて





「設計やら予算やらはまあ特にいいことも悪いこともなかったけど。ちょっと気になる話があった」





なんだろう?





「社内で盗難が起きてるらしい」






「盗難……?何を、ですか…?」






「従業員の財布、会社のパソコン、会社貸与のスマホ、イベントの景品用の商品券、そんなところだ」






「……同一犯なんですか?」






「わからない。そもそも盗ってるものがたいして高額でもないし、スマホなんかは紛失なのかもしれない。




時期についても、連続とも言い切れないような、よくわからない間隔で起きてるらしい」





「このことは社内に通知されるんですか?」





「従業員の財布については通知する。ロッカーに貴重品は置かないようにすることと、施錠をすることは徹底させる。他については通知しないでおくそうだ」





ロッカーという単語に引っかかった。鍵付きのロッカーは女子にしかない。た





「ロッカー、ということは、女子更衣室から盗んでいるということですか?」






「男性従業員からの届け出はない。財布に関しては全て女子社員だ」





私の…靴のことと、関係…あるんだろうか。





「お前のあの靴の件との関係はわからない」





二宮さんも…同じことを考えていた。






「財布は別にして、パソコン、スマホ、商品券なんかはおそらく売って金に換えてるんだと思う。そう考えると、お前の靴の件は性質が違うように思えるから……関係はないように思うけど。でもなんにせよ、気をつけておかないと」





「はい……」





「場所が場所だけにカメラをつけるわけにもいかないから…とりあえず、警備室の巡回を増やしてもらうことになった」





「そうですか…。大きな事件にならないといいんですが。ここに勤めているならお金に困っている人はあまりいないように思うんですけど、何が狙いなんでしょう」





「わからんな。ただの憂さ晴らしってことも考えられるし、本当に金に困っていて、でも大きなことは企てられないからこれくらいの額しか狙わないのかもしれないし」





「そんな人が大宮工業にいるなんて……外部の人じゃないですよね」





「外部とは考えにくいだろう。そもそも入館ゲートが通れない。ただ、内通者がいれば別だけど」




「内通者……」




思わずぶるっと身体が震えた。そんなことを考える人が、ここにいるかもしれないの…?




「デカい会社だからいろんな人間がいるよ、直生。みんながみんな聖人君子じゃない」




二宮さんはちょっとこまったような顔でそう言った。





わかってる。いろんな人が、いる。そうだけど……