にのちゃんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。
BLも挑戦していましたが、現在休載中です。初めてお越しの方で抵抗のない方は「colors」をどうぞ。
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城島はにっこりと微笑んだ。
「あまり…改めて考えたことはありませんがね。ひとつだけ、大事だと思うことがありますよ」
水野がぐっと前に乗り出した。
「尊敬、です」
「そんけい……」
「私たちは見合い結婚でした。まあ、見合いとはいっても親同士で殆ど決められていた結婚でしてね。好きも嫌いもない、お前の相手はこの人だともう決まっていたんです」
「本当にそんなんだったんだ……」
「ええ。文句なんて言えないですよ。その人と添い遂げるしかない。でも幸いなことに、私はあいつが一目で気に入りましてね」
「なんで?」
「とにかく元気で明るかったんですよ」
城島がくすっと笑った。
「一応お互いに正装してたんですよ。あいつは着物着てね。だけど、普段着てないからでしょうね、袖を押さえることもしないし首元も着崩れて、でもにこにこ笑ってたくさん食べて。飾らない姿が私はとても気に入りました」
……直生みたいじゃねーか…
「実際暮らしてみると、やっぱりその明るさに救われましてね。貧しかったですが、なんとかなる!ってくるくる働いて。
愚痴だってたくさん言いましたよ、だけどその愚痴と同じだけ、前向きな言葉も言ってくれました。
私はね、あいつのその姿勢を、ずっと尊敬しています。今でも。腹の立つこともしょっちゅうありますけどね、根底にそれがあるのとないのとじゃ違うんでしょうね。
結局、あいつにはかなわんな、と思うし、同じように私も前向きになりたいと思うから、一緒に歩きたいと思っています」