にのちゃんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。
BLも挑戦しています…。抵抗のない方は「colors」をどうぞ。
オムニバス形式で更新は不定期ですが、更新時刻は0時となってます。どうぞお楽しみください。
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出張先での会議が少し長引いた。これだから夕方に始まる会議は嫌いなんだ。先の予定がないからケツが長くなる。
終わりを告げる言葉を聞いたら即立ち上がり、部屋を出てエレベーターに乗り込む。
エレベーターからLINEで今から帰ると打つとすぐに既読になり、「かしこまりました」と直生らしい返答が来た。
誰もいない家に帰るのなんてもう何年も、いや、何十年か?学生の頃からだから…それが普通だ。寂しいと思ったこともない。
麻里子にも合鍵は渡さなかったし…。
それなのに、直生がいると思うと気持ちは浮き立ち、早く帰りたくて仕方がなかった。
直生がにこっと笑うところを見たい。すぐに緊張する柔らかな身体を腕の中におさめたい。
年を取ったからだろうか。人恋しいような気持ちになるのは。
来客駐車場で待つ城島の車に乗り込み帰路を急ぐ。
鍵は直生に渡したから俺はエントランスのインターフォンのボタンを押す。
ピッと音がして、「はいっ」と直生の緊張気味の声が聞こえた。
「……俺」
カメラが付いているのだから俺だということは直生には見えているはずだ。でもいざとなるとこういう時なんと言えばいいのかわからなくなって、ぶっきらぼうに名乗る。
「あっ、開けます!」
ピッと音がして自動ドアが開く。エレベーターに乗り込みフロアで降り、玄関の前に差し掛かった時。
ベルを鳴らす前にガチャっとドアがあいた。
ドアの隙間から顔を出した直生は、目の前の俺を見てひゅっと息をのんで驚く。
なんで驚くんだよ、と可笑しい。俺が来ると思って前以て開けたんじゃねえの?
「ただいま」
「お、おか……」
昨夜と同じ緑のジャージで、裸足のままでタタキに降りてきて、「おかえり」を口籠る直生。
玄関先で突っ立ったままなのも可笑しい。
「入れてくれる?」
わざとちょっと意地悪に。
「あっ、はい、すみません」
慌てて身体の向きを変えて、俺を先に玄関の中へと入れる。
かちゃ…と静かにドアを閉める直生を、後ろからそっと抱きしめた。
俺の言ったとおりに風呂も済ませたんだろう、俺と同じシャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。
「ただいま」
「お…おかえりなさい…」
消え入りそうな声。赤く染まった耳。このままドアに押し付けて思う存分可愛がりたい。
「ごはん…準備します…」
直生のその言葉に俺の野望は見事に打ち砕かれたけど。