にのちゃんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。


BLも挑戦しています…。抵抗のない方は「colors」をどうぞ。
オムニバス形式で更新は不定期ですが、更新時刻は0時となってます。どうぞお楽しみください。


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「お前は……」





静かな声に顔を上げると。








「与えてばっかりいたんだな」





そう呟いて二宮さんが立ち上がり、私の隣にとすんと座った。





そしてそっと私の手を取る。





「これから」




私の指と指の間に二宮さんの指が絡まる。





「与えられることにも…慣れていけ」





ぎゅっと、その手が強く握られる。





その手から、あたたかいものが私の身体に流れ込む。





「はい……」





胸がいっぱいになって。ただ、そう答えることしかできなかった。






「お先ー!」




櫻井さんと入れ替わりに二宮さんがシャワーに向かう。




櫻井さんはコーラをごくごくと飲みながら、私に聞いた。





「どうやって仲直りしたの?」





「謝りました」





「へ?」





「ちゃんと伝えなかったのがいちばんの原因ですから…」





「直生ちゃん……マリア様みたいだね。そんなヤキモチ、男らしくない!って一喝してやれば良かったのに」




櫻井さんはそう言ってにこにこと笑った。





「直生ちゃん、長女?」




「そうです。弟がひとり」




「だよねー、そんな感じする!ちなみにオレも長男!妹と弟」




「櫻井さんもそんな感じしますよ」





「カズはなんだと思う?」





「……末っ子だと思います」





「あ、よくわかったね?」





「なんとなく…。頼もしいところばっかり見てますけど、どことなく感じます。櫻井さんとお話してる時は特に」




「もうさー、末っ子に振り回されるんだよ、長男長女ってさ!」





櫻井さんはそう言いながら、ふふっと笑った。





「ま。そういうのがなんか可愛くてさ。結局ほっとけないんだけど」





お二人の関係は私にとっては羨ましいくらいだった。私には、ここまで心をひらくことのできる友人はいないから。





それを櫻井さんに言うと、櫻井さんは真剣な顔で私に言う。





「自分をさらけ出せる人…いなかったの?今まで?」





「そうですね、いないです。ちょっと…家庭が複雑というか、経済状況も悪かったし、生きていくのが精一杯でした」





「……生活…大変だったの?」





「ええ。わりと」





「そんな苦しい時に、誰にも弱音吐かずにずっとやってきたの?」




櫻井さんの顔がどんどん真剣になっていく。




「はい。でも…なんとかやってこれました」





「直生ちゃん」





「…はい」





「カズには…心ひらけそう?」





「二宮さんに……?」





「そう」





「……多分…というか…勝手にいろんな自分が出てきちゃいます…」





「そっか。なら良かった」





ほうっと安心したように息を吐いた櫻井さんはようやく目を細める。





「あいつはさ。すっごいでっかい心の持ち主だから。ちょっとやそっとじゃびくともしないの。




だから、本当に。なんでも言っていいんだよ。言わないと逆に、さっきみたいにヤキモチやくからさっ」





櫻井さんと私は、くすっと笑い合った。





「直生?あいたよ」





濡れた髪のままの二宮さんが戻ってきて心臓が波打つ。




思わず目を奪われてじっと見つめていたら。




「あ?なに?」




櫻井さんがぶはっと吹き出す。




「ね、直生ちゃん。こんなんだけど、ね」




「はい」




櫻井さんと微笑み合ったら、二宮さんは「んだよ」と口をとがらせた。