にのちゃんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。
BLは不定期更新です。時間は0時となっています。どうぞお楽しみください。
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直生の表情をちらっと見る。
そして俺は今被ったキャップをすぐに脱いだ。
「直生」
「…はい」
返事はしてもこっちを見ない。
「こっち向け」
直生はまるで俺を恐れるかのようにゆっくりと俺を見る。
「お前の考えてること当ててみせようか?【私なんかのために】【申し訳ない】。どう?」
敢えてキツく…早口に言った。直生の顔が青ざめた。
「直生」
そのすべらかな頰に手を当てる。
「【私なんか】って思うのが、きっともう癖になってる。
癖だから、すぐには治らない。それは俺も理解してる。
でも、そうやって自分を卑下するのやめな。やめようと努力しろ。
お前がお前のこと好きにならなくてどうすんだよ。翻ってそれってお前のことを好きだと思う俺のことまで卑下することになるから。
だから。ゆっくりでいいから、直生は直生のことを好きになれ」
ああ、また。
直生の瞳がゆらゆら揺れる。街灯の薄明かりの中でその瞳は時折煌めいた。
今にも溢れ出しそうなその揺らぎを、直生は突然ゴシゴシと自らの拳で擦った。まるで幼い子どもが泣くように。
そして動きを止める。拳は、まだ強く直生の目に当てられたまま……
「直生」
俺は宥めるようにその頰をそっと撫でた。
直生の拳が目から離れ、その手は頰に当てた俺の手の上に重ねられ。
突然、ぎゅっと手を握られ下へと引っ張られた。
と、俺の頰に微かに触れた直生の唇。
直生はぱっと目をそらすと、
「帰ります」
と小さな声で呟き車のドアを開けた。