嵐・二宮くんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。
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「ニノ?これどうしたの?」
つつつっと二の腕をなぞられてひゃっと声が出た。
「んあ?…ああ…なんか寝てる間に自分で掻いてたみたい」
「そ?珍しいね、ニノがそんなふうになるの。俺はいつでも血だらけだけどさー」
ははっと翔ちゃんが笑う。
その笑顔のままで、翔ちゃんが続ける。
「顔のも?」
「うん、そうみたい。目立つ?」
「いや、遠目にはわかんないと思うよ。寄りだとわかるけど」
「あー…隠した方がいいかなあ」
「ちょっと塗ってもらえば?ファンの子たちに『痴話喧嘩で引っ掻かれたんじゃないか』とか呟かれるよ」
「あはは。んじゃちょっと隠すかなー」
俺は笑いながら立ち上がった。
翔ちゃん…なんでここだけそんなに目敏いんだ?
悪目立ちしないように傷を隠している俺を翔ちゃんが鏡越しに見ている。
「なに?翔ちゃん」
「ニノこないださー、声が出なくなるのって原因何かって聞いたじゃん?」
生まれた動揺を悟られないよう、敢えて鏡の中の自分だけを見る。
「うん」
「あのあとさ、ZEROでいじめの特集あって。いじめられた子の話聞いたりしたんだけど、やっぱり心は見えないからさ、身体症状でSOS出すみたいなんだよね」
「SOS…」
「うん。まあ、よく聞くのがさ、学校行く時間になるとお腹痛くなるとかさ。そういうのね。
そういう、軽い感じのから始まって、心が傷付いていくとどんどんいろんな症状が出てくるんだって。
俺が話し聞いた子の中には、声が出なくなった子もいた。
多分、防衛本能なんだろうね。自分を守ろうとするんだと思うよ」
「自分を守る、か…」
「うん。その子はね、声が出なくなって楽になったって言ってたよ」
「…………」
「声が出ないってさ、すごくわかりやすいじゃない。
おなか痛いとかだと、ウソついてるとか言われたり、薬飲めば治るとか言われたりして、
もちろん症状は本当なんだよ、でも周りがそれくらいじゃ認めないんだよね」
「ひでー話だな」
「うん…ほんとそうだよね」
「声が出ないのは薬があるわけじゃねーし、嫌な言い方すれば、ランクの高い症状だから周りがそれ以上突っ込んでこない、だから楽になった、ってことか…」
「ご名答。その子…中学生の女の子なんだけど…すごく寂しそうに笑うんだ。俺…なんにも言えなくてさ」
「俺だってそこにいたらなんにも言えないよ、翔ちゃん」
「なんかさ。無力だなって思ったわ。その子、新しいアルバム出るの楽しみにしてるって言ってくれたから、いいの書くねって、それしか言えなかった」
「で、翔ちゃん、ラップできた?」
「うおーーーー!聞くなぁ!」
翔ちゃんの雄叫びは、「嵐さんそろそろいきまーす!」というスタッフの声に掻き消された。
俺たちは楽屋を出てスタジオに向かう。
さすがに眠いな…。