嵐・二宮くんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。






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ayumu  said……






羨ましかった。



心底羨ましかった。



私の偏った今までの人生において、私はたくさんのものを諦めた。ううん、諦めさせられた。




それでもここまでの羨ましさは感じなかった。感度が低くなった、のが正しいかもしれないけど。




それなのに、なにかが私の心の中で騒ぐ。どんどんと心の中を叩く。






焦燥感にかられて、あの人の仕事部屋に行った。




もしかしたら…歌えるかもしれない。あの人の、あの人たちの歌なら。歌えるかもしれない。




なんでそんなふうに浅はかに思ったのか自分でもわからない。




そしてもちろん、声は出なかった。






もう、私なんて要らないのに。こんな喉、なくなればいいのに。そうしたらもうこんなに苦しまなくて済む。




要らない。要らない。要らない…!




自分にまとわりつくなにかが邪魔でめちゃくちゃに腕を振り回した。動きが制限されて、爪を立てて引っ掻いた。




邪魔しないで。もう要らないんだから。もう誰も邪魔しないで。私の好きなようにさせて。







「歩夢。自分で自分を傷つけちゃダメだ」




突然降ってきた柔らかな声。そして、ぬくもり。




はっと自分を取り戻したとき、あの人の胸の中だった。




ぎゅうぎゅうと抱き締められていることに気付く。




背中を撫でるその手の優しさが、ぬくもりが、少しずつ身体中を伝わって行き、私の力を抜いていった。





私を抱き締める力がふっと緩んで、咄嗟にシャツを掴んだ。





離さないで。離れないで。





伝えたい。






でも、何を?






うまく言葉にはなりそうもない。だって自分でもこの感情はわからない。





そっと髪を撫でられ、顔を上げるとあの人は何故か狼狽した。




その薄い唇がひらく。




何を言いたいかわかった。




でもそんな言葉は要らないの。





多分私が付けた、頰の傷に、そっと口付けた。





これしか、私にはやり方がわからない。