嵐・二宮くんとの妄想小説です。BLではありません。女性との絡みがあります。苦手な方はご遠慮ください。
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「そう。毎日は来れないし、いつ来れるか俺もわからない。だから、メロンパンは嬉しいけど…取置きはしなくていいから」
そう言うと彼女はとてもわかりやすくうなだれてしまった。
【めいわく?】
「いや……うーーん……」
俺は本当に困った。
俺のファンではないことはわかったけど、なんらかの好意があるからの行動だろう。
はっきり断って逆上されるリスクもあるし、
はっきり断らずにエスカレートするリスクもある。
「どうしてそんなにしてくれるの?」
とりあえず理由を聞いてみよう。多分…あのとき酔っ払いに絡まれていたのを助けたからだろうけど。
【怒らなかったから】
ん?なんのことだ?
【声が出なくても怒らなかったから】
よくわからない。病気なんだろう?なぜ怒る必要がある?
「他の人は、怒ったの?」
彼女はまたうなだれて、小さく頷いた。
長い髪がサラサラと前に流れ落ちる。
「どうして?病気なんだから仕方ないだろ」
【声が出ない私に意味はない。声が出ない私は必要ない】
衝撃的な文字に俺は思わず彼女を見た。
彼女は悲しそうでも寂しそうでも怒りを感じている顔でもなく、そこにあるのは無だった。
「もう遅いから送るよ」
正直なところ…俺には重すぎた。
たまたま出会った客と店員という間柄なだけだ。
彼女のこの表情のなさ、声が出なくなった経緯、自分には意味がないと言いきる心、
興味は引かれはするが、そこには安易に踏み込むべきではない、それを受け止められない奴が安易に聞いてはいけない、そう思った。
何より俺だって毎日忙しい。アルバムに収録するソロ曲もまだ出来てない。
ただの店員に関わる時間も体力もない。
「送るよ。家どっち?」
俺のその言葉に、一瞬彼女の瞳が揺れた。
【自転車だから大丈夫】
「いやそういう問題じゃ…」
俺の言葉を聞かずにスタスタと店の脇に停められた赤い自転車の方へ歩いて行く。
「おい!自転車だって危ないって!」
サドルにまたがった彼女は無表情のまま俺を見た。
その瞳には何も映っていなかった。思わず言葉を飲み込んだ俺を残し、彼女は自転車で去っていった。