嵐・二宮くんの妄想小説です。BLではありません。



※汚表現ありです。苦手な方はback!





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ちひろさん、あれかなりやばい!



新年会を終わらせるため、走って会場に戻りながら、俺はかなり狼狽えていた。



俺の代わりに飲んでくれたから…。あー…大野課長…ほんとすみません…。


完全に無理させました…。


項垂れそうになったとき、ぐったりと座り込んだちひろさんの姿が脳裏に浮かんで、


凹んでる場合じゃない、とにかく早く新年会を終わらせて、早くちひろさんをなんとかしないと!と今度は焦りでいっぱいになった。


部長にシメの挨拶を頼み、終わった後もうだうだと席に座ってのんびりしている奴らを会場から出るよう急かし、


忘れ物がないか会場を回り、会場側の責任者と挨拶をして、自分とちひろさんの上着とカバンを引っ掴んで外に走り出た。



喫煙所は建物の出入口の反対側にあり、二次会の相談をしている奴らにはちひろさんは見つからずに済んだようだった。



後ろからだとちひろさんは項垂れて座っているように見えて少し安心したのも束の間、


「ちひろさん」


後ろから呼びかけてもピクリともしないから急に不安になって、


「ちひろさん?」とちひろさんの正面に回ると、


おいおいおいおい、ちょっと…これほんとやばいんじゃ?



ちひろさんの顔は薄暗がりでもわかるくらい真っ白だった。いつもこどものように赤いほっぺなのに。



慌ててちひろさんの上着、俺の上着もかぶせ、名前を呼ぶけどほんとに動かない。目も開けないし、


死んでるんじゃ?と恐る恐る手を取ると信じられない冷たさで余計恐怖を感じる。



少し大きな声で名前を呼ぶと、んん…と少し唸って、眉間に皺が寄るのを見てやっと生存確認ができた。


良かった…。








でもこの状態のちひろさんをいったいどうすれば…?


ここにいたら俺も凍えそうだ。仕方ない、起こしてタクシーに乗せない



「ちひろさん!ちひろさん!」


ほっぺを軽くピタピタと叩いてみる。


「ちひろさん!」



睫毛が震え、ゆっくりと目があいた。熱でもあるかのようにその目は潤んでいる。


「ちひろさん!すみません、寒いところに放置して。帰りましょう、タクシー呼びますよ。」


そう言ってスマホを取り出し、タクシーを呼ぼうとしたら、冷え切った手が俺の手に触れた。




ちひろさんをみると、目はまた閉じられ、フルフルと小刻みに首を横に振っている。


「ちひろさん?タクシー、だめ?乗れない?」


小さく頷く。


「吐きそう?」


また小さく頷く。



そりゃそうだろうな、すごい飲んだと思う。吐いた方が楽になるだろう。



「トイレ行く?」


フルフルと首は横に振られた。


 
吐きそうって言ったよな?

吐きそうなら早目にトイレに行かせないと。



「ちひろさん?吐きそうならトイレ行かないと。」


またゆっくりと目があき、うるうるの目で見つめられてなぜかドキッとした。


「…〜〜…〜」


聞こえない。耳を口元に持って行くと、


吐けない…




「吐けない?なんで?」


指でも突っ込めばすぐ吐けると思うんだけど…。


こわい…


小さな小さな声と、こわいの意味がわからなくてちひろさんを見つめると、雫が目から零れ落ちそうになっていてびっくりする。



「ちひろさん?無理に吐かなくていいから!」


焦ってそう伝えると、コクリと頷いた拍子にとうとう雫がこぼれ落ちた。



落ちた涙は一粒だけで、内心俺はホッとした。


女の涙はめんどくさいから…。




しかし、タクシーは無理、吐けない、ときたらどーすりゃいいんだ?