数学の証明問題を苦手とする高校生は少なくありません。
私自身、以前勤務していた大学で入試の採点を担当していた際にも、その傾向を強く感じました。
高校入試や大学入試では記述式の問題が少ないため、練習量が不足していることが一因だと思われます。
生徒たちは「分からない」わけではなく、考え方を文章としてまとめることに難しさを感じているようです。
そこで私は、証明問題に行き詰まっている生徒に対して、次のように質問を投げかけます。
「この問題はどうやって攻めていこうか。」
「二つの三角形が相似であることが言えればいいと思います。」
「どうして相似だと言えるのですか。」
「二つの角がそれぞれ等しいからです。」
このやり取りを通じて、私はこう伝えます。
「いま話してくれたことを順番に書けば、それが解答になりますよ。」
最終的には、生徒自身の言葉で証明問題の解答が完成します。
できるだけ自力で考え、まとめられるように工夫しながら指導しています。