定期試験対策として、数学の問題を解いていたときのことです。
中学3年生の生徒が、しばらく解答用紙をじっと見つめていました。
「何か分からないことがありますか?」
「問題は解けるのですが、どうも腑に落ちないのです。」
この生徒の長所は、分からないことを率直に伝えてくれる点です。
この問題は、相似図形の解法に当てはめれば理屈としては解けます。
しかし、なぜそのような解法になるのか、感覚的に納得できない様子でした。
納得するまで丁寧に説明したいのですが、試験直前で時間に余裕がありません。
「不本意だけど、今回は解き方を覚えてください。」
この対応で定期試験は乗り越えられるでしょう。
しかし、腑に落ちないまま解法だけを覚えても、入試問題には太刀打ちできません。
理解が伴わなければ、知識は使いこなせないのです。
試験が終わってから、改めて一緒に復習しました。