私が17歳の時から通っていた理髪店があるのですが、今日、そこへ約10年ぶりに散髪に行ってきました。何故10年ぶりなのかといいますと・・・。


50過ぎまで33年以上お世話になったのに行かなくなった理由は、セコイ話で恥ずかしいのですが、料金の問題です。現在は成人は3800円です。若い頃は髪の毛は多い方でしたし、仕事もしてましたから、3800円は安いとは思いませんでしたが、習慣のようにやってもらっていました。


ところが現在は、歳とともに髪の毛は悲しいほで薄くなりしょぼん、周辺部をちょっちょっと刈れば終わってしまうのです。そういう状態になりつつあるところに、

「散髪のみ10分1000円」という画期的理髪店が登場しました。


高校生の頃から、少し離れた所に住んでいた時以外は、海外駐在中の一時帰国時も行ったり、33年以上慣れ親しんでいた店と決別するのは、寂しいような、申し訳ないような気持ちでしたが、この僅かな髪の毛に3800円をかけるのはどうも勿体ないと思ってしまったのです。


勿論、近所ですから道でマスターや奥さんと会うとお互いに笑顔で挨拶はしますが、なんか心苦しい気持ちがしないではありませんでした。でも、今や年金暮らしだしな・・・と思いつつね。ところが再会の機会が。


先日ブログでも書いた、中学校の校庭に平面交差道路建設反対の署名のお願いに行き、ご家族、お客様から20名もの署名を頂きました。で、次回は必ず頭やってもらいに来ますからと約束し、それを今日果たしたのでした。

それは腕はいいし、やはり1000円の床屋とは違います。気持ちよかった。


余談ですが、我々落語仲間に落語の指導をして下さっている、桂小文治師匠のブログに、師匠がこの店のことを毎回書いているので、常連客であることを知りました。奇縁です。


前置きが長くなりましたが、実はここのマスターは岩手県出身で、今日話を聞くと、今回の震災で、兄、妹、親戚を亡くした(正確にはまだ見つかっていない)というではありませんか。


私はたまたま東北地方に親戚も親しい友人もいないので、そういう悲しい思いをしないで済んでいますが、一遍に何人もの肉親、友人を亡くすという衝撃は想像できません。「大変でしたね。」くらいしか言えなくてスミマセン。でも何と言ったらいいのかも分りません。諦めるしかないのでしょうか、ご夫婦とも、普通にされていました。

今度は年末にでも来ますからと言って店を出ました。