気になる人にメールをした。
けれども返信メールがない。
ああ・・・
気分が落ちる。
だからメールとかしたくないんだ。
期待をし、そして結果裏切られる。
こういう滅入る気分の時は、絶望的なホラー映画を見るに限る。
で、手にしたDVDがこれ。
『ラビット・ホラー』
清水崇監督。満島ひかり主演。
【内容】
ネタバレすると面白みがほぼなくなるので簡単に。
主人公キリコは、幼い頃に母親を亡くし、父親と弟ダイゴとの3人暮らし。
父親は絵本作家。弟は父の後妻の子で、キリコとは腹違い。
キリコは幼い頃のトラウマで、声が出せない。
キリコは小学校の図書館で働いている。
同じ学校に通う弟が、
ウサギ小屋で死にかけているウサギを見つけ、
楽にするために石でたたきつぶして、とどめを刺す。
それをきっかけに、弟はいじめられるようになり、登校拒否となる。
ある日、キリコはダイゴを連れてホラー映画を見に行く。
3D画面から飛び出て来たウサギのぬいぐるみ。
それをダイゴは受け取る。
その晩、階段の納戸からウサギ(きぐるみ)が現れ、
別の世界にダイゴを連れて行こうとする。
そのウサギの正体が、ダイゴの母親きょうこさんではないかと思った
キリコは父親に助けを求めるのだが・・・
※流し見なので微妙に内容とニュアンスが違うかもしれません。
【感想】
呪怨の監督の作品ということだが、
それっぽい髪の毛描写こそ登場するが、全く怖くない。
そういった意味では、これまでの和製ホラー映画とはまた雰囲気が異なる。
ウサギのぬいぐるみや、絵本など、
不思議な空気と、きれいな映像で、どこかおとぎ話を想わせる作品だ。
押し入れの奥からウサギが出てくるところなど、
不思議の国のアリスのようなイメージだろうか。
なんというか世界観が一貫しておらず、
場面によって雰囲気がコロコロ変わる。
で、展開もコロコロ変わる。
ところどころ気持ち悪い、血しぶきや、効果音、廃墟、マネキン風の人形などが登場し、
恐怖感を煽るアイテムや描写を駆使してはいるが、
映画を観ているというよりはPVを観ている感じになる。
率直に言うと、ジャケット裏の説明を読んだ時の
僕の脳内に瞬間的に描かれた物語(想像)と比べると、
実際の作品の方が個人的にはおもしろくはなかった。
まあ、満島ひかりの演技がホラー向きですごくよかったかな。
彼女はFolderの頃から見てるけど、
見た感じ、完璧アイドル容姿でめっちゃかわいかったんけど
最近の女優満島ひかりは、そういう部分が削れて
すごく女優としてイイ感じに育っているなと思う。
スタイルがあまりボリューミーじゃないところや、
顔のつくりがきれい系なのに、女子力で過ぎていない感じとかが、
ありきたりな女性をイメージして、感情移入しやすいのかもしれない。
【評価】
オチは最近ありがちなネタだったので、想定の範囲だった。
またその設定のせいなのか、ストーリーが分かりずらいのが難点。
思い切って
悪夢探偵みたいな、精神世界に連れ去られた弟を助けようとして
自分のトラウマに飲み込まれてしまい、
現実世界と精神世界の区別がつかなくなってしまうといったネタで
突き進んだ方が良かったのではないだろうか。
で、オチはこんな感じ。
実はウサギ(きぐるみ)は自分の中のもう一つの人格で、
ウサギが精神世界(夢の世界)で犯した残酷な殺人を、
現実の世界で自分が犯している。
だけど実は弟が犯人じゃないかと主人公は疑っていて、
いろいろ調べていくと、実は弟だと思っていたのは
自分の投影(記憶のすり替え)だったというオチの方がシックリくるのだが。
てなわけで
自分としては怖くもなく、スッキリもしないので、おもしろくありませんでした。
場面的に出てくる衝撃的映像にまんまと騙された。
2点/10点満点中