われ未だ木鶏たりえず | スタイル

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経験と感動の刻印

遠い昔、中国のある国に、闘鶏の大好きな王様がいた。


その王様はとにかく、自分の鶏を強く、自分の国一番の鶏にしたかった。


で、調教師を呼んで調教する。


で、しばらくして王様が見に行く。


肩を怒らせて強くなっている。


でも、調教師はまだまだだと言う。


でまた、調教師に調教してもらい、またしばらくして見に行くと、もう、バタバタなんかしない。


目で敵をにらむ。


これは強くなった。早く試合に出したい


と思って、


調教師に試合に出そう、


と言うと、調教師は


「まだまだ。にらんでるうちはまだまだ。」



それから長い年月が流れてね、


調教師が


「王様、ついに出来上がりました。本物の強さです!」


王様が見ると、その鶏はなんと、


微動だに動かない。


じつに静かである。


それがまるで、木で彫った鶏のように見えた、という物語です。




本当に強いということは、


肩で怒らせて人を脅したりしない。


にらんで凄んだりしない。



この木鶏に憧れた、目指した横綱で、


双葉山という人がいました。


この人は、本当に強かった。


69連勝したんだよ。


そしていよいよ70戦目。


ところが、


双葉山は体調を崩してしまったんだなぁ。


それで、


誠に気の毒なことながら、70戦目でついに負けてしまいました。


でもね、ここからが双葉山なんだな。


彼は決して、愚痴、言い訳をしない。


きちんと勝った力士に一礼をして、


静かに花道を引き上げていきました。


そのときに、彼がつぶやいた言葉が、


「われ未だ木鶏たりえず」


私はまだまだ強くなる。


私はもっともっと練習しますよ。


稽古しますよ。


こう双葉山は言いました。


その言葉に、日本中から拍手が起こったんだよ。




さあ、もうすぐ私たちには大事な受験が待っています。


カッカしない。


カッカしない。


私はもっともっと強くなれるチャンスがあるんだ、


と思って、受験に臨みましょうよ。