台風9号が関東地方から東北地方を駆け抜けていきました。

久し振りに関東を直撃した台風だったようですが私にとっても久し振りの台風でした。
都心では電車が止まったりしてかなり混乱をしていたようですし、関東一円で雨風による被害があったようでした。

東京でも深夜から雨と風が強くなり昼過ぎまで続きました。私の家の近所では幸いにも大きな被害はなかったようですが、私は窓から強い風と雨を飽かずに見ていました。

台風は昔から変わらず日本を襲っていましたから古典にも出てきます。確か枕草子だったと調べるとその一節が見つかりました。

 野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。

台風の翌日こそ趣があっていいものだ、と清少納言が書いています。吹き荒れた風と雨に庭の木が倒れ、落ち葉が散乱し、雨水が流れた跡が残る。被害に遭われた方があれば極めて不謹慎な話ですがそんな台風一過のあとの乱れた様に趣があると言うのですが何となく分かるような気がします。

自然の猛威に何も抗うことが出来ず、吹き荒れる風雨になされるがままに一夜を耐え過ごし、その翌日のむしろ爽快な気落ち。家や塀が多少壊れてもそんなことは諦めるしかなく、被害が大きければ大きいほどに清々しさすら感じるのでしょう。そういう感じ方が清少納言の素晴らしい所ですね。

台風9号が通り過ぎたあと、近所を少し歩いてみましたがアスファルトの道路の隅には落ち葉やどこからか飛んできたゴミが吹き寄せられていて嵐が過ぎ去ったあとの生々しさを見せていました。

清少納言が感じた「いみじうあわれにおかしけれ」という気持ちには程遠いものの、台風一過のあとの爽やかさのようなものを体で感じてきました。
それは都会に居ても自然の中で暮らしていることを感じさせてくれたからかも知れません。

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