僕の演劇人生…

 

本格的に始まったのは

 

演技、演劇の師匠で、かつての会社の共同経営者、

 

そして10年暮らした事実婚の相手

 

アメリカ人映画監督、舞台演出家との出会いからでした…

 

 

そのアメリカ人、80年代、90年代は日本の演劇界でも、有名人…

 

新劇と呼ばれるジャンルでは、

 

新劇を作った重鎮たちにこよなく愛された才能を持っていました。

 

ただ…

 

彼女の知名度に、僕は全く興味がありませんでした…

 

 

僕が最も惹かれたのは、

 

演劇を劇場の中に押しとどめておかない彼女の発想

 

 

演劇を銭湯や、街中でゲリラ的に行う実験演劇は

 

70年代、80年代、90年代にもありました…

 

今、敬愛してやまない世界的演出家 鈴木忠志さんも野外でよく上演されます。

 

 

しかし、彼女は

 

山や川など、自然を相手に演技のトレーニングを行い

 

僕を鍛え…

 

演技とは、五感を使って行うものを

 

体験させてくれたのです。

 

 

真夜中の森の中…

 

明かりも持たず、できる限り裸に近い状態で走り回り

 

肌を通り過ぎる夜気

 

湿った空気の中に混じる木の葉や樹のにおい

 

雲の切れ間から時折差し込む月の光…

 

川のせせらぎの音、水の感触…

 

五感で感じ取り、そこから生まれるアイデアや

 

湧き上がってくるインスピレーションを使っての即興

 

自分の恐怖心と出会う…森の夜の闇は怖い…

 

 

 

廃校となった小学校の体育館

 

一晩中、ろうそくの明かりだけで、

 

肉体を酷使する即興トレーニング

 

 

明け方になると、意識が朦朧として

 

何も考えられなくなり、

 

批判や判断を加える思考が働かなくなって

 

体からセリフやアイデアが

 

とめどもなく沸き起こってくる

 

体に任せる感覚を味わう…

 

 

 

築200年のみそやしょうゆの醸造蔵

 

薄暗い蔵の中で

 

「自分が最も恐れるものに出会う」エクササイズ…

 

その時、僕は「僕を去勢する父親」に出会いました…

 

 

このブログを書き綴ってきて…

 

この「去勢する父親」との出会い…が…

 

どこから来ているか、わかります

 

でも…

 

当時は、自分が「最も恐れるもの」が

 

父であったという事実に驚き、そして涙腺崩壊…

 

 

自分の肉体…無意識の世界の深さに興味を持ったのでした…

 

 

アメリカ人は、自分の国の歴史が浅いことに

 

コンプレックスを感じ、歴史を感じさせるものを

 

身の回りに置きたがる人が多い…

 

彼女もそんなアメリカ人でした…

 

 

僕が現在、演出するとき

 

大道具や衣装、小道具を

 

できる限り本物…アンティークのものを使うのも

 

彼女の影響から

 

 

毎朝のテーブルセッティングすら

 

「舞台装置作り」だと言って、

 

僕をトレーニングしました。

 

どんなグラスを置いて

 

どんな皿を合わせるか…

 

どんなランチョンマットを敷くか…

 

ただのハムエッグが、極上の朝食に変身しました…

 

 

僕が日本の焼き物を愛するようになり

 

何百枚もの古伊万里を

 

コレクションするようになったのも彼女の影響

 

 

年に2回開催されていた

 

イッセイミヤケのサンプルセールに

 

僕を連れ出し

 

製品化されない「クリエイティビティむき出し」の衣服を買わせ

 

デザイナーの服のすばらしさと

 

デザインの大切さを教えてくれたのも彼女

 

 

僕は30年前、購入した

 

イッセイミヤケのサンプルジャケットを

 

穴が空けば、皮でふさいで

 

色褪せれば柿渋で染めて

 

今も愛用しています。

 

クリエイティブであることの価値を教えてくれたのは彼女でした。

 

 

演劇のトレーニングが、発声やエチュードと言った

 

退屈極まりないものではなく

 

自分と出会うエキサイティングなものであると

 

僕は知ったのです。

 

 

共同経営していた会社を壊し、裁判沙汰になるような争いを繰り広げ

 

最悪ともいえる終わり方をした相手…

 

 

彼女とのトレーニング、教えてくれたもの、歴史を

 

この10年間、僕は否定し続けてきました…

 

 

でも、彼女から受け継いだ

 

演技、演劇に関しての知識、経験、洞察は

 

色褪せることなく、僕の中に生き続けている…

 

 

根本さんの罪悪感本を読んで、

 

改めて認識したのでした…

 

 

彼女との様々な経験やトレーニング、もらったものは

 

僕の演劇観やスキルと分かちがたく繋がっており

 

それを否定しては、僕自身を否定することになる…

 

 

僕は、どこかで、自分は毒、自分は無用な存在、自分は恥ずかしい存在

 

そう思ってきました…

 

 

でも、母に感謝し…

 

父に感謝し…

 

彼女に感謝し…

 

そして手放していく…

 

 

僕は僕…

 

僕は今のままでいい

 

今のままで幸せになる

 

 

今、目の前には妻がいる

 

二人で幸せになろうと真摯に思う

 

 

 

根本さんのセミナーに初めて参加した時の衝撃は

 

今も忘れない…

 

「怒りは感情の蓋」

 

演劇人として、このコンセプトをもっと早くに知りたかった…

 

「深刻さが問題を大きくする」

 

「パートナーは同じ感情で苦しむ」

 

根本さんのDVDは、演劇に必要なコンセプトの宝庫

 

 

妻と二人で根本さんのDVDを観ての毎朝の勉強会…

 

妻にとっては「根本さんのお弟子さん」としての

 

カウンセリングの勉強でしたが、

 

僕には、演劇の勉強以外の何物でもありませんでした。

 

 

そして罪悪感本…

 

半世紀以上

 

自分の中にある罪悪感と闘い、

 

それを飼いならそう、叩きのめそうとしてきましたが

 

罪悪感の裏側には、

 

罪悪感の大きさと比例する大きな愛があり、

 

そこを見つめることで

 

自分や自分の人生を否定するのではなく

 

受け入れていく…

 

 

父親、母親、かつての恋人、別れた人に感謝し

 

執着を手放していく…

 

 

ありがとう

 

僕はやっとあなたに感謝できるようになった。

 

あなたと作ってきた舞台、トレーニング、経験は、

 

今、僕の中でかけがえのない宝になっている…

 

 

あの経験や時間がなければ

 

今の僕はない…

 

 

ただ、もう僕は妻と歩いてく

 

新しい地平を観るために…

 

 

演劇とカウンセリングの技法や知識を結び

 

新たな表現を目指していく

 

 

あなたは「演劇は死んだ」と言った

 

僕は「演劇は生き続けている」と信じる

 

 

今、僕の周りには才能に溢れた若者が集っている…

 

あなたとやろうとして、できなかった「人を育てる」

 

妻と実現します

 

 

ありがとう。

 

僕は僕、あなたはあなた

 

あなたが作った道から踏み出し

 

やっと「自分の道」に入った気がする

 

 

僕は僕

 

後押しとなった根本さんの罪悪感本…

 

根本さんとの出会い、そして根本さんの著作との出会い

 

感謝…心から感謝

 

 

明日からリトリートセミナー

 

新しい一歩を踏み出せる予感…

 

 

いや~…単にビビってるだけだな…