舞台演出家、映像作家、映像プロデューサー、脚本家、アクティングコーチ、そして心理カウンセラーの斉藤豪(再統合)です。

 

 

苦節6年…

自分で言うな…

ですが、

 

ITベンチャーの新規事業開発部プロジェクトリーダーとして、0から事業を立ち上げて3年…

更に会社創立3年目…


 

まる5年を経て、やっとうちの俳優たちがメジャーにいけそうな予感がしております。

 

これまでも東宝系全国公開映画「ブレイブ/群青戦記」の主要キャストとして4名の弊社専属俳優を送り出し…

ですが、やはり新田真剣佑さん主演で、どうしてもその他のキャストはかすんでしまう…

 

NHK大河「麒麟がくる」に出演者を出したりもしましたが…でも、目立ちません。

 

ところが、今回はピンで…

女優二人がグラビアDVDデビューを果たすのです。

 

一人は「グラビアの東大」と言われる竹書房さんからのリリース…

 

そして、先日、そのDVDを実際に制作する会社社長で、

ご自身もプロカメラマンのHさんと、LINEで意見交換をする機会をいただきました…
 

その中でHさんの「『清楚エロ』」を目指す」の言葉に衝撃を受けました。

 

というのも…

 

私、演技に取り組んで、すでに40年近くが経過していますが…

 

20代の頃、演技を行う人間の心理が全く説明できず…

「なぜ、そうなるのか…」をなんとか説明できるようになりたいと、

 

当時日本に言葉すらなかった「アクティング・コーチ」のまねごとを始めました…

アメリカ人映画監督に師事して…

 

そして紆余曲折を経て50代後半…

ベストセラー作家で、ご自身は心理カウンセラーの根本裕幸さんの

 

「怒りは感情の蓋」の概念を、セミナーで聞いてショックを受け、

その意味をもっと知りたいと根本さんに師事し、

 

カウンセリングの手法を学び、

更にわれら夫婦間で勃発した血で血を洗う抗争から身をもって学び…

 

今、アクティング・コーチとして若い人間たちに演技を教えています…

 

 

そんな私ですが…50を超えて初めて、目からうろこの出来事がありました…

 

「戦う演劇人」を著した演劇評論家の菅孝行さんから

 

演技には「様式的演技」と「自然主義的演技」があることを教えていただき

 

びっくり…

 

私…

世の中には「自然に見える演技」=「自然主義的演技」しかないと思っていました…

そのくらい「自然に見える演技」に傾倒してました…

 

そもそも映画がやりたくて俳優になった男ですから、

ジム・キャリーの演技など大嫌い…くせえよ…顔で演技すんなよ~

こんなん主役で映画つくんなよ~でした。

 

ところが、その私にとって「自然に見える演技」とは一体何か?

ず~っと、言語化できていませんでした…

ぴったりくる「コンセプトワード」が浮かばなかったのです。

 

う~ん、説明できない…どこに行きたいのか…俺状態でした。

 

私にとって、あくまで私にとって…ですが

「自然に見える演技」を突き詰めていくと、「のぞき見」にたどり着くのです。

でも、まだなんかしっくりきてませんでした…

 

ごくごくプライベートな関係でしか見せない表情をいかに再現する…

再現という言葉を用いていいのか、わかりませんが…

それが私にとっての「自然に見える演技」でした。

 

観客がのぞき見しているような気になる演技…

 

奥さんが旦那さんと二人きりの時にしか見せない表情

あるいは彼氏が彼女にしか見せない甘えた仕草…

他人には絶対見せない表情や仕草が、「自然に見える演技」の基本だろう…

 

あくまでも「だろう」でしかありませんでした…


英語の言い方では、これを「Open/オープン」と言います。
ところが、日本語の演劇用語の中には、この「Open」の概念がありません。

しかし、「自然主義的演技」の根幹を成す概念です…

 

そして、新たな疑問が浮かんできました…

 

果たして「自然主義的演技」とグラビアアイドルは結びつくのか…

 

私と妻が育てている女優がDVDデビューをするにあたり、

私たちはどこを目指すべきか、非常に迷いました。

 

私も妻も、グラビアの世界などに触れたことがありません…

いろんな人間に相談しました。

 

ある映画監督からは「女優と(グラビア)アイドルは対極にあるもの…おたくら、あの子の才能…つぶす気?」

アンチなお叱りを面と向かってぶつけられました…

 

大概は大大大反対の嵐…

 

そんなときHさんの言葉です。

 

衝撃的でした…そして、この時、やっと気づいたのです…

そうなんです。私たちは、この「清楚エロ」を表現できる女優を育てたかった…

 

「清楚エロ」こそ「自然主義的演技」の極致…

 

男とは、非常に身勝手な生き物です。

自分の愛する奥さんや恋人には、「清楚」と「エロ」という二つの相反する要素を合わせもっていただきたいのです。

 

ごくごくプライベートな「清楚エロ」…これこそ演技の究極!これこそ「Open」!

 

エロだけなら、娼婦…

清楚だけならお高くとまって、面白くない…

 

DVDグラビアが目指す「清楚エロ」は

実は演技の究極に位置付けられるものだったのです…


世界で高い評価を得た大島渚監督の「愛のコリーダ」も、

阿部定という稀代の悪女(というレッテルを男たちから貼られた女)と、

吉蔵の恋物語をのぞき見的視点から撮った映画です。

 

主役のお二人は、ものすごく自然でした…

 

あえて断言してしまいます。

今の時代、女優という肩書を持った方の中から「清楚エロ」を演じられる女優は出てこないでしょう。

出てくるとしたらグラビアアイドルからです。

 

遠くない将来、女優はグラビアアイドルに取って代わられる日が来るのではないか…

映画に出演している女優は、弊社にも何人かおりますが、その仕事内容は、アクションがほぼ全てです。

私が20代だった頃…
アクション映画はB級で、イロモノでした…

俳優たちも、アクションよりは、文芸ものに出演したがった…
私もそのひとりでした…

今やハリウッド映画産業の中心になっているマーベル映画は「東映まんがまつり」みたいなもので、

大人が見るものではありませんでしたし、
 

そんなものにでたがる役者は下の下…

ところが、この二つは、今や映画産業の主軸です。
この二つは、俳優の登竜門にもなっています。

映画が大きく、様変わりしている中、当然、女優の仕事も変化しました。

女優に求められるのは演技力よりは、アクションテクニック、運動能力….

真の演技力を求められているのは、グラビアアイドルではないか?
グラビアアイドルの方がはるかに難しいことを要求されている…

Hさんも、それを感じ、同時にグラビアアイドルの可能性も感じられたのではないか?

恋人との接写の雰囲気、極プライベートな表情を、グラビアアイドルは、出せなくてはなりません。
映像を見つめるおとこたちに、本当に語りかけなくてはならないのです。

男のファンタジーを演じなくてはならない…

それは美しいだけではなく、ひとりの人間、性愛の対象になる「ひとりの女」を演じなくてはならないということです。
これには甚だ演技力が必要です。

極々プライベートな雰囲気と表情を作り出す演技力…

男のファンタジーは、この極プライベートでありながら、二人きりの時間と雰囲気、愛情とセックスを感じさせるパートナーが可視化された時に、更に膨らんでいくはずです。

現実には、得られない世界…

グラビアアイドルに求められるのは、実は、かつて女優がやろうとしていた、男のファンタジーを体現することなのではないか…

その可能性をプロのカメラマンとしての視点や先見性を持つだけではない、

別の視点を持って、グラビア業界を俯瞰されているHさんが敏感に感じとり

 

「清楚エロ」の言葉を作り出した…
 

表現が多様化した今、新たな地平を照らす太陽の光を一身に浴びるのは

もしかしたら、グラビアアイドルかもしれない…

そんなことを考えながら、
阿鼻叫喚の稽古場で、デビューする二人をギリギリ締め上げる今日この頃です。