舞台演出家、映像作家、映像プロデューサー、脚本家、アクティングコーチ、そして心理カウンセラーの斉藤豪(再統合)です。

 

 

 

 

ここ14日ほどZoomによる演技の稽古を行っています。

 

Zoomを使った稽古は、

想像以上に体力を消耗させ、

更にはプレッシャーがかかるものであることを

今更ながらに感じています…

 

通常稽古は、19時から23時まで、約4時間行っていましたが、

Zoom稽古は、その半分の時間…

でも、エネルギーの消耗は、通常稽古の比ではありません。

 

 

自分の経験と語彙と知識…

テクニック、エネルギーをフル活用して

 

稽古場で今起きていることを言語化し、

Zoomの向こうの俳優たちが

理解できるように説明する…

 

更に、役作りからシーンづくり全般を

微に入り、細にわたり…

 

「今、このポイントに留意し、

 相手役との関係を構築し

この視点で役をつかまえ

自分の感覚に従って動く…」を

説明しなくてはなりません。

 

簡単なことではありませんが…

 

 

講義(?)を受けている俳優たちが

稽古場に週に1度やってきて

 

めきめきと腕を上げる姿を見ると

勇気づけられ、やりがいを感じます。

 

 

 

先日の師匠の師匠によるON LINEセミナー

 

「物理的法則と心理的法則は反比例の関係にある…」

 

100個、田舎からリンゴが送られてきて、80個近所に配ると

残りは20個しかなくなる…」

 

これが物理的法則…

 

ところが、「愛情はあげればあげるほど、

深まり大きくなる…減ることは全くない…」

 

これが心理的法則

 

 

そうなんです…

 

 

今、Zoomで講義(?)をしていると…

 

想像以上に消耗はするのですが、

やめたいと思わない…

 

大きな意義と可能性を感じ、

もっとやろうと思うのです…

 

俳優たちが、よりいとおしくなりました。

 

 

そして、先週で2週間…

 

更に気づいたこと…

 

 

Zoomとは

教えることの意味が

改めて問い直されるツールあり…

 

同時に

 

教える側の

力量と知識、経験の深さが試されるツール…

 

 


コロナという社会的要因によって、

半強制的に変化を余儀なくされて

今があるのですが…

 

 

現在のコロナ蔓延が、

実は「教える」ことの意味を

大きく変化させ

 

コンテンツの中身が精査され

淘汰される契機となっているのです。

 

 

 

日本の演劇は、私が俳優を始める以前から

「指導」と「演出」の境界があいまいでした…

 

 

俳優は

刻苦勉励して役に入り

演出家、先輩俳優に怒鳴られながら

それでも石にかじりついて演技して

経験を身につける…

 

OJTと言えば聞こえはいいのですが…

「虐待的環境」が

密室の中で構築されていました…

 

 

21世紀になっても…

俳優に木刀を投げつける演出家がいます。

 

カラヤンの言葉

「芸術家は独裁者でなければならない…」

を信奉されている演出家もいます。

 

それらの方々を批判しているのではありません。

 

ただ、俳優個々に明確な指標を与え

創作活動を行いつつ指導できる演出家が

極端に少なかった…

 

だから、常に人材不足…

 

演出家は、自分の意図を

説明する言葉を持たず…

 

OJTしか育成システムを持たない

日本の劇団、養成所、芸能事務所…

 

そして、密室の中で繰り広げられる

虐待的トレーニング…

 

これでは

 

人が育つはずはありません…

 

 

 

コロナの出現によって、

同じ空間にいることが無理になり…

 

発信する側と受け取る側の距離ができたことで

 

今や、トレーニングや演出を

受講する側、演出を受ける側が、

その内容を

客観視できるようになったのです。

 

実際に同じ空間にいて、

直接指導されるより

はるかに受け取れる情報は少ない上に

 

ノンバーバルコミュニケーション

非言語的コミュニケーションは

 

モニターを通してでは

行いにくい…

 

ですから、発信する側は、発信する情報の

精度を高めなくてはならない…

 

 

Zoomを使うことで

コミュニケーションの基本に

立ち返る必要が出てきたのです。

 

コミュニケーションは、

どう伝えたかではなく

どう受け取ったか…

 

受け取り手優先…

 

 

 

圧倒的に演出家優位だった

「舞台制作環境」が変化し

 

今や、演出家(発信する側)は

俳優(受け取る側)と同等の立場に

立たされるようになったのです。

 

 

昔々から演出家と俳優は同等…

そういわれてきました。

 

 

ところが状況は上記の通り…

圧倒的に演出家優位…

 

それが今、同等になった…


 

Zoom…

演劇とは一見、全く相容れないものによって

演劇の変革が起ころうとしています。

 

その胎動が聞こえます。

 

 

心理的原則と物理的原則の違い…

 

演出家と俳優が同等になることで

 

どちらも同じ量だけ

愛情を作品に注がなくては

いけなくなりました。

 

「舞台は俳優のもの、映画は監督のもの」

 

昔はそう言われてきました…

 

これからの演出家に必要なことは

 

愛情を惜しみなく出す…

 

俳優にも、作品にも…

 

そうすれば

俳優は年齢に関係なく

ビビッドに反応してくれます…

 

 

心理カウンセラーと演出家…

二足の草鞋を履く身にとって

ひしひしと感じる…

 

心理的原則

 

モニター越しにでも会える喜びを

今、日々、感じています。

 

 

まさにヒョウタンから駒…

 

コロナからZoom…

 

新しい時代は、面白いことが起きます…