舞台演出家、アクティングコーチ、カウンセラー、映像プロデューサー、映像作家の斉藤豪です。

 

唐突ですが…
なぜ、こんなに韓国と日本の俳優の演技力に差がついてしまったのでしょうか?

この疑問が、今、私の頭の7割くらいを占めています。

 

コロナも一段落して、俳優が活躍する機会も増えています。

 

コロナ期に需要が爆上がりした映像は、コロナが過ぎて落ち着くどころか、安価で作れて効果も高いことから、需要は更に上がっている感があります。

 

となると、俳優の目の前には、

どうやって「いい仕事」「大きな仕事」を取るか…

どうやって仕事の質を上げ、収入も上げるか…
そのために…

どうやって演技力を向上させるか…

という「そもそもの課題」が浮上してきます。

 

つまりは、演技がうまくなり、人の目に触れる機会を多くなれば、自然に「そもそもの課題」が解決されていくのです。

 

お隣の韓国を見ると…

俳優たちの演技レベルは日に日に向上し、選ばれし者たちの中にはハリウッド進出を実現した方もいらっしゃいます。

 

しかし、日本は相変わらず、有名俳優のみに仕事が偏り、やっぱり有名事務所の後ろ盾がないと何もできない…この状況は変わらない…

俳優に諦めムードが蔓延している…そんな感じがします。

ところが…
今、日本国内には「イヴァナ・チャバック(世界的なアクティングコーチ)認定アクティングコーチ」が5人います。韓国のイヴァナ認定コーチは1人。

 

そのほか、スタにフラフスキーシステム、メソード演技、サンフォード・マイズナーテクニックなど、多岐にわたった演技法を学べる場所が日本にはあります。

 

21世紀、世界で最も多くの俳優が受けている演技トレーニングの1つ

「鈴木メソッド」の総本山は、富山県利賀村にあります。

 

トレーニング事情だけを考えると、

日本は韓国を凌駕できる演技トレーニングが揃っているように思えます。

しかし、韓国ほどに結果が出ていません。それはなぜか…

 

私は、20代にアメリカ人映画監督、舞台演出家と出会ってから、これまで作品制作やアクティングコーチとして演技に携わり続け、

 

35年ほど日本人俳優に合った独自の演技法を確立するために、試行錯誤を続けてきました。

そして、日本の演技トレーニングには致命的な欠陥があることに気づいたのです。

 

日本の演劇の世界には「自己決定力」を鍛えるトレーニングがありません。

 

アクティングコーチ、カウンセラー、潜在意識書き換えコーチの私から見ると、

韓国の俳優さんたちには、ものすごく強い「自己決定力」が備わっているように見受けられます。

 

「自己決定力」を「覚悟」と置き換えてもいいかもしれません。

韓国の俳優さんに「自己決定力」が備わっているのではありません。

正確には「自分でトレーニングした」のだと思います。

 

どうやってトレーニングしたのでしょうか?

お金です。

 

韓国ではエンタメを産業化することに成功し、お金が儲かるようになったので

俳優たちの自己決定力が増した…

お金持ちになりたい…だから、俳優になる…

 

ところが、日本で俳優を目指している方のほとんど多くは
「興味があるから…やってみたい」がそのスタートです。

 

自分のモチベーションが最初にきています。

収入のことは頭にない方がほとんどです。

 

そして、縁あって何年も舞台や映像に携わってから、これ(俳優)を自分の仕事にしたい…と「自己決定」して、その後から努力を始めるのが一般的なようです。

それでも、まだ収入は大して頭にありません。

いつか食えるだろうと…

かくいう私がそうでした。

 

20代はアリとキリギリスのキリギリスのように遊びほうけ…

まったく俳優として真面目ではありませんでした…

そして、何も決めてませんでした。

 

20代終わりになって、アメリカ人映画監督、舞台演出家に出会って、

アメリカや海外の演劇事情や映画産業の実情に触れてから本気になりました。

20代は、まさに成り行きで、行き当たりばったりに生きていました。

何も決めずに…

 

もし…

俳優として「成り行きで生きている」かも…と思われる方、

以下の項目のうち何項目くらい該当するか試してみてください。

 

1,自分の生活を維持するためのライスワーク(アルバイト)に、1日8時間以上費や

  し、通勤時間を考えると10時間、もしくはそれ以上かけている。

2,自分の将来のための投資(話題の映画を観る、演劇書を読む、ジムに通う、

  ボクシングジムに通う等なんでもよし)は1日1時間以下で、毎日はやっていな

  い。

3,自分の演技スキルを高めるために、何かやりたいと思っているが、何をやってい

  いか分からないから行動してない。

4,自己投資をやりたいとは思うが、身につかなかったらと思うと、一歩が踏み出せ

  ない。
5,過去に劇団や芸能事務所の養成所に入ったが、そこで行われるトレーニングが身

  についた感覚がなく、今更、演技を一から学ぶことに抵抗がある。

6,半年に一度上演される舞台に立つ以外は、演技に関することは、ほぼ何もしてい

  ない。

7,演技に関する自己投資に1か月2万円以上お金をかけることに抵抗がある。

8,ゲームに1日2時間以上かけている。

9,情報発信を自分からは何もしていない。

10、演技は学ぶ必要があると思っていない。(日本語が読めて話せるから、日本で活動

  するには十分)

 

上記10項目の質問は、俳優を自分の仕事にすると自己決定していない方の行動パターンを言語化したものです。

プロの俳優を目指す方々が、まず、やるべきは、演技法や役作り、シーンづくりを学ぶことではありません。

 

「自己決定力」を高めることです。

ことは単純です。決めればいいのです。自分はプロになると…

 

ただし、頭で決めただけでは、物事は進みません。

 

人間の意識の95%(もしくはそれ以上といわれる)潜在意識が信じないと、ことは動き出しません。


プロになる人間は、潜在意識に働きかけ、非常に高い自己決定力を発揮し、自分の才能を開花させているのです。
 

違う言い方をすると…

演技のトレーニングは、実はどんなトレーニングでもいいのです。

 

イヴァナ・チャバックでもスタニフラフスキーでも、鈴木メソッドでも…


たった一つだけ、自分が「プロの俳優になる」と決めることができれば、

何からでも学んで結果を出すことができます。

しかし、日本の演技トレーニングで、この「自己決定力」に着目して指導しているアクティングコーチを私は知りません。

更に言及すると、「演技がうまくなりたい」では、プロにはなれません。

大まかすぎるのです。

 

自己決定力を高めるために、自分の意志を細分化する必要があります。

それが、サイモン・シネックが提唱する「ゴールデンサークル」理論の核となる「WHY」です。

あなたが、自己決定力を高めるために

「どうして=WHY、あなたは俳優になるのか」を明確にしなければなりません。

 

これが使命(ミッション)です。

あなたには「使命」があって俳優になろうと無意識は言ってるのです。

 

最も、俳優に向かない人間は「ナルシスト」です。

私の表現の師匠、バイオリニストのアテフ・ハリムは、

「アーティストはSoldier of the Godである。」と教えてくれました。

 

「アーティスト(表現者)は、神様の兵隊である。

武器は持たない、誰も傷つけない。しかし、社会に対して明確な使命を持ち、

その使命を全うするために努力する…」

イヴァナの12段階メソッドやスタニフラフスキーシステム、鈴木メソッドは、その次に来る「HOW」…

つまり「どうやって」に当たるのです。

 

最後に来る「WHAT」は、映像にするか、舞台にするか、または声優になるかなどに当たります。

 

まず、最初に核となる「WHY」を明確にして、「なぜ、自分は俳優になるのか、そして何を実現するのか」の自己決定力を高め、

そして、次にHOW…WHAT…これを言語化することで

あなたの夢の実現は、確実に前進します。

ぜひ、試してみてください。

もし、一人でやってみて、実感がわかなかったら…
コメント欄にご一報いただければ、更にいろんなやり方をお教えします。

ただいま、無料演技コーチング受講者募集中です。

お気軽にどうぞ!