ご無沙汰しております。舞台演出家、アクティングコーチ、カウンセラー、映像プロデューサー、映像作家の斉藤豪です。

 

また、めっちゃ時間が空いてしまいましたが、ブログ、再開いたします。

前回の投稿から1年以上空いてしまった理由は、会社経営とクリエイティブの両立が難しく、見よう見まねの「なんちゃって社長」として、会社経営に重きを置いて、なんとかコロナを乗り切ろうとあがいていたからにほかなりません。

今年は、後半にオリジナル舞台の上演もありますし、オリジナル映画の制作も待っております!

 

そこで、情報発信を再開し、自分自身のクリエイティブ熱を更に高め

演技やエンタメに関する様々な気づきを発信していきます!

ビジネスONLYから演技の世界に戻ってみると…
遅ればせながら、ホントに遅ればせながら…お恥ずかしい限りですが…

 

ネットフリックスなどで観る韓国映画、ドラマのレベルの高さにびっくり、

と同時にファンになって、はまってしまっています!

 

言い訳っぽいですが、「冬ソナ」時代には、観ていたんですよ…韓国ドラマ…
 

当時、アメリカ人映画監督と会社経営して、世界中に配給する映像作品を作っていたので、
韓国映画「JSA」を観た時には、活況を呈している今の韓国映画やドラマの胎動を感じて、負けちゃいかんとも思っていました。

 

米国配給会社で映画の売買に携わっている方とも頻繁に会って、韓国映画が徐々にワールドマーケットに登場して、世界で配給され始めた話も聞いていました。
 

日本映画の世界では、仙頭武則さんプロデュースの映画「五条霊戦記」が日本映画初の配給料1億円越えをした時期です。(仙頭さん談)

 

どんな風に、どこへ配給されたかなどは、全然、お聞きできませんでしたが、正直な話、「日本映画って、そんなに安いんだ…」という印象でした。

 

なぜなら、配給権料1億円は、アメリカ映画では、買い付けたい「売れる大作」におまけについてくるB級、C級といわれる映画の値段だからです…

 

話がそれました…

 

あれから約20年、韓国の俳優たち、撮影技術、ストーリーテリング、どれをとっても日本を凌駕しています。

 

今、一緒に活動している日本人映画監督曰く「撮影技術などは、日本も全く負けていない。ただし、制作費や制作期間が日本はタイトすぎて、やりたいことができない。」そうです。


今の韓国映画の隆盛は、97年のアジア通貨危機をきっかけに、韓国国内で映画、ドラマを外貨獲得できる産業に育てようと尽力した結果であり、

2003年から映画監督で巨匠のイ・チャンドンさんが、韓国文化観光部長官として映画隆盛を支えたことなど、いくつも要因があげられます。

今、韓国の大学の6割に演劇関連の学部があるとも聞いています。

アクティングコーチを名乗る私の目から見ると、韓国人俳優と日本人俳優の力量の違いは、目をみはるばかりです。

韓国がエンタメの産業化を目指してから、まだ四半世紀ですが、日本と韓国の差は半世紀くらい差が付けられたと、私は感じています。

 

私が俳優を目指した40年前、日本と欧米の俳優の差は30年といわれていました。

今、韓国だけを取り上げても、その差は、私が俳優を志したころよりも広がっている感じがします。

それは「梨泰院クラス」と「六本木クラス」のクオリティの違いを見ると、どなたでも一目瞭然、違いをご理解頂けるのではないでしょうか?


例えば…
「長家」の会長のものを食べる表情、しぐさ、舌鼓を打つ様子(映像中では「舌鼓を打つ」という表現がぴったりくるきれいなものではありませんでしたが…)
ただ、それだけの演技が完璧でした。


私も何人かプロの料理人の知り合いがおりますが、その方たちの食べ方は、決してきれいではないのですが、確かに料理を味わい尽くし、その味を自分の体に覚えさせよ言うという執念のようなものを感じさせる食べ方をされていました。

「長家」会長の食べ方は、まさに味を記憶に刻もうとする執念を感じさせる食べ方であり、

 

会長役のユ・ジェミンさんが、そこまで完璧な役作りをしていることに驚きを禁じえませんでした。

更に「梨泰院クラス」のキャストには、穴がありません。

普通でしたら、ドラマ中、一人ぐらい「あ~…このキャスト…あかん!」な方がいるのですが…

いないのです…誰も…

映画「新感染」のような大多数のキャストが出演する映画を日本で作ると、エキストラさんや、登場シーンが少ない(いわゆる役の小さい)俳優さんは、明らかに「役に入っていない方」が多いのですが、

例えば、映画「新感染ファイナルエクスプレス」の冒頭…

韓国新幹線の華奢な客室乗務員の女性が登場します。

彼女、あっという間に感染者に噛まれてゾンビ化し、ほかのお客さんを噛んで感染させ登場シーンが終わります…

彼女、細面のかわいらしい女優さんなのですが、ゾンビ化した後の顔…めっちゃ怖いんです。
役作り…うまっ!勢いやノリでやる演技では絶対にできない緻密さがあります。


更に彼女の体の使い方、秀逸です。舞踏やクラシックバレエで体を鍛えていないと、ちょっとやそっとじゃできない体の使い方をしています。

最初に新幹線に乗り込んでくるゾンビ化したお姉さんは、もっとすごい体の使い方をしています。

彼女たちの役は決して大きくありませんが、しっかりと役に入っている…


じゃあ、なぜ彼女たち…だけでなく、韓国の俳優さんたちは、こうした演技ができるのでしょうか…

 

長くなってしまいました。その答えは次回に、最後までありがとうございました。