国語力で人生を開く! 家庭教師の戸田朝海です。
前回の記事 作文は、思い・考え・意見を伝える場所 の続きです。
今回は、作文というより、小論文よりの記事になります。
前回では、自分の思いや考え、意見を伝えるのが作文ですよ~、というお話をしました。
でも、日頃からよく考えていることならともかく、考えたこともない内容や、知らないことについて、意見や考えを聞かれた場合、どうすればいいでしょうか?
というところまで、進みましたね。
実際、これはよくあります。
受験問題の小論文なんかだと、結構難しい題材を出されることがありますし、時事問題といっても、全てをカバーしきれないでしょうからね。
そういう場合は、 「その場で考える力」が、必要になります。
そうです。たった今、試験会場で初めて見た(知った)題材について、「自分の考え」を、その場で出すんです。
そんな無茶な! って、思いましたか?
そうですよね。普段から興味があることならともかく、難しいニュースについてだとか、初めて知った出来事について、その場で考えるなんて、かなり難しいですよね。時間がたっぷりあっても、意見なんてなかなか出てこないのに、ましてや試験のときなんて、10分や20分くらいで、考えをまとめないといけませんから…
すると、ここでよく陥りやすい、失敗があります。
それは「考えがない」ということ。
「考え」というのは、意見ですね。「私はこう思います」という部分です。
これが浮かばないとき、よくやってしまいがちなのが、
「与えられたテーマの解説」を書いてしまう、という失敗です。
わかりやすく、具体例を見せますね。
例えば、「地球温暖化について、あなたの考えを述べよ」という課題だったとします。
すると、
:
最近、地球温暖化が問題になっている…
二酸化炭素などの、温室効果ガスが原因である…
化石燃料の使用や、伐採による森林の減少で、二酸化炭素が増えている…
温暖化が進むと、気象の変化や、海面上昇などの問題が起こる…
電気の使用を抑えるため、省エネや節電が呼びかけられている…
:
こんな感じの内容だけで、紙面を埋めてしまう人が多いんです。
何がおかしいか?
これ、全部「情報」ですよね。環境問題について、知ってることを並べただけです。
もちろん、知ってることを書いてもいいんですが、それだけで終わってしまうと、肝心の「あなたの考え」が、書かれていないことに、なってしまいます。
(つまり、ここで言うと、地球温暖化について、「どう思うか?」の部分ですね)
で、結局それがないまま、
「これからますます、地球温暖化の改善に向け、取り組みが必要である」
などという一言で、締めてしまったりするわけです。
(それは誰に向けて言っているのか?)
(そして、そんなことを言うあなたは、どんな立場にいる人なのか?)
でもね、実は、こういう文章を書いてしまう人、すっごーーーーーーーく多いんですよ。特に中学生だと、最初のうちは、半分くらいがこうなるんじゃないかしら。(私の見てきた限りでは)
「自分の意見を持つ」って、思っている以上に、難しいものなんだな~と思わされます。
では、ちょっと長くなってしまったので、
「どうしたら自分の意見・考えが持てるのか?」
については、次回また、お話しまーす!

