これまで作ってきたお菓子の中で、作る頻度が一番高いのはスコーンですが、他によく作っている気がするお菓子は、粒あんです。






一度炊けば、小分けに冷凍して、数ヶ月くらいに渡って楽しめるので、そんなに頻繁に作る必要はないのですが、常にストックを絶やさないようにしているお菓子。





冷凍しておいた粒あんは、レンジでチンして解凍したのち、ちょっとの水と一緒に小鍋で火にかけて、水とよく馴染むようぐつぐつさせ、お椀に注いだら、焼いたお餅を乗せて、おぜんざいにして食べます。


 



イギリス菓子の虜になっている私ですが、おぜんざいは、世界で一番好きなおやつです。「日本のお菓子の中で一番好き」、とかではなく、「世界のお菓子の中で一番好き」です。













はじめて作ったのはイギリス留学中。


乾燥小豆さえ手に入れば、あとはお水お砂糖だけで作れることに加えて、日持ちもするので、イギリスにいても作りやすい日本のお菓子でした。

乾燥小豆はアマゾンでも、近所の中華系のスーパーでも手に入りました。


はじめてのあんこは、こちらのレシピ本を参考にして作りました。



材料から工程までとても細かく丁寧に書かれているので、本格的なあんこを作りたい初心者にはぴったりのレシピでした。


このレシピで初めて作った餡子は香りよく仕上がり、とても美味しくて、感動したものです。







でも段々ときっちり作ることが面倒になって、感覚でつくるゆるりとした私なりのあんこのレシピが出来上がってきました。工程のベースは上記の本にありますが、それよりも肩の力を抜いて作るレシピです。



あんこを炊きはじめると、台所に篭りきりになるし、それなりに時間もかかりますが、小豆は煮ている時の香りがもうすでに餡子のそれで、あんこ好きにとっては至福の時間です。









『感覚で作る自家製粒あん』

300gの乾燥小豆から、800〜900gの粒あんができあがります。お碗いっぱいのおぜんざい8〜9回分でしょうか。


材料


・乾燥小豆 

・水(水が美味しいところの餡子はおいしいらしいので美味しい水を使うとよい)

・白砂糖 乾燥小豆と同じ重さか、それより少なめ(今回は乾燥小豆300gに、上白糖を250g)

(重曹 目安は乾燥小豆300gあたり4g 省いてもいい)

(塩 少々)


〜びっくり水で豆の皮の繊維を壊す〜


1、お鍋に小豆がかぶる気がするくらいの水を入れ(多めに入れとくと良い。小豆はまだ入れない。)、強火でしっかり沸騰させる。




2、沸騰しているところに小豆をザッと入れる。水量が多すぎることに気づいたら、掬い出し、少なすぎだと思ったら足せばいい。強火のままもう一度沸騰したら、そこから2〜3分待つ。水500mlくらい(家の計量カップが500mlなので)を一気に注ぎ入れ、すぐさまおたまでお湯を掬い出し、また小豆の上がギリギリ隠れるくらいまでの水量に戻す。(1回目)




(2回めに取り出した湯)



3、また強火で沸騰を待ち、沸いたらそのまま2〜3分待ち、水500mlくらいを一気に入れ、おたまで湯を掬い出し、小豆がギリギリ隠れるくらいの水量に戻す。これを4回繰り返す。だんだん掬い出した湯の色が濃くなっていきます。


(4回めに取り出した湯)


〜渋切り〜

4、小豆をザルに開け、汁は捨てる。(渋切り)



〜豆を煮る〜


5、鍋を水洗いし、水を入れる。水量は小豆がギリギリ水面下に来そうところまで。ちなみに小豆はまだ入れないので、勘。強火にかけ、沸騰したら、重曹を入れ、軽く混ぜる。




6、小豆を加え、弱火にする。もし水量が多すぎたのなら、ここで掬い出し、少なければ足せばいい。

アルミホイルで作った落とし蓋を被せ、トロ火〜弱火でゆっくり煮る。時々少しかき混ぜてあげると、火の通りが均一になって良いです。






7、小豆を一粒取り、親指と人差し指でつまんでみる。力を入れなくても芯まで潰れたら煮上がり。水量は常に、すべての小豆がギリギリ水面下に来るくらいを保つため、減った際には差し水をする。(煮上がりまで、早いときは10分くらい、遅いと1時間くらいかかります。)





〜砂糖と合わせる〜


8、ボウルにザルを重ね、煮汁ごと小豆をザルにあける。この煮汁は必要なので捨てない。





9、小豆は鍋に戻し、煮汁はボウルの中に静かに置いておく。





10、鍋の小豆の上に砂糖を乗せる。※まだ火にかけない。





11、ボウルに静かに置いていた煮汁が二層に分かれてくる。下に沈殿しているものが大切な”(=生あん)”。上水は捨て、呉だけを砂糖の上に流しかける。


(これはいらない上水。明らかに水っぽいので、みればわかる。間違えて全て流して捨ててしまわないよう、シンクに直接流すより、一度器を経由するのをおすすめします。)




(こちらが。水っぽくなくて、重みがあるのがわかる。)


12、火は止めたまま、豆を潰さないように、木べらで全体をよく混ぜる。


13、中火にかけ、砂糖を完全に溶かす。ふつふつとしてから1分くらいかき混ぜていればたぶん大丈夫。焦げそうなら弱火にする。




このままおぜんざいにしたい人:

たぶん全てをおぜんざいにしてしまうと多すぎるので、今食べたい分を小鍋に移し、少量の水を足して(濃厚なのが好きならそのままで水は足さない)沸騰させ、焼いた餅か水に浸けながら柔らかくなるまでレンジでチンしたお餅を加えておぜんざいとして頂く。



あんこを最後まで作りたい人:

次のステップへ進む。


〜煮詰める〜


14、ボウルにザルを重ね、鍋の中身を開ける。ボウルに溜まった水分のみを鍋に戻し、中火にかける。ここでを少々加えてもいい。焦げそうな場合は弱火に落としながら、ぷつぷつとと軽く沸く状態を保たせる。木べらで絶えず底から混ぜ続け、煮詰める。鍋底が見えるほどに粘度がついてきて、木べらですくうと、へらの上に乗り、すぐには垂れて落ちないくらいの粘度がついたら、火を止める。









〜小豆と合わせる〜


15、ザルにあけていた小豆を鍋に戻し、豆を潰さないように、鍋底から、そして全体をよくかき混ぜます。






16、木製のまな板に平たく移し、粗熱を取りつつ、木に水分を吸わせる。完全に冷め切らないうちに(乾きすぎるとカサカサ餡子になります。)、保存用容器に移す。私はここで100gずつラップして冷凍庫で保管しています。食べる時は、レンジで柔らかくなるまでチンします。







粒あんをつくったら…