バターお砂糖を混ぜても、ぽろぽろしたものができるだけで、このままではひとまとめにしてスコーンの形に成形することができません。

そこで必要なのが水分。

牛乳、豆乳、アーモンドミルク、卵、ヨーグルト、バターミルク、生クリーム…などなど、使える水分は色々。


1、普通は卵と牛乳を使います。

今回のお話で使っているイギリスのレシピたちも使っているのは牛乳と卵。


Mary Berryさんのレシピは450gの粉に、卵は2つと牛乳をちょびっと。



Bettys Cookery Schoolのレシピでは、500gの粉に、卵を2つと牛乳をちょびっと。




Tanya Burrさんのレシピでは、250gの粉に卵1つと、牛乳70ml。




ホテルオークラさんのスコーンは卵とヨーグルトを使っています。


約290gの粉に、卵は1/2個と、ヨーグルト83gです。


以前作ったことがあるグレーテルのかまどさんのレシピもヨーグルトを使っていました。


粉268gに卵1つ、ヨーグルト30g、牛乳60gです。



2、水分による違い

生クリームをスコーン生地に使ったことがないので、見つけた実験記事を参考にお話します。


〜生クリームスコーン〜

“Texture: Ultra-tender and cake-like, they're softer than butter-based scones.”


バターを使わず生クリームを使ったスコーンは、ケーキのようで、とてもしっとり、そしてバターでつくるスコーンよりもずっと柔らかいそうです。


〜バタースコーン〜

“Texture: Layered, usually with craggy, crisp edges and sometimes slightly dry (while still pleasant). Overall, butter scones are sturdier than cream scones.”

層ができ、端はサクサク、真ん中をパカっと割って、ジャムとクリームを乗せられます。生クリームスコーンと比べると乾燥気味だそう。




高脂肪の牛乳や、生クリームのように、加える水分の脂肪分が高ければ高いほどスコーンにはコクが出て、脂肪分が焼ける良い香りが加わるでしょうし、また保湿効果でしっとり感も加わりそうですね。


プレーンヨーグルトや飲むヨーグルト、バターミルクのように加える水分に酸味があると、スコーンの味わいがあっさりさっぱりと仕上がります

卵を使うと、味にコクがよく出るのに加えて、優しい黄色で美味しそうに焼き上がるので、ぜひ使いたい。





3、私の好きな水分


私が作るスコーンは、卵ひとつを軽量カップに割り入れてから、120mlのラインまで牛乳を注ぎます。粉(小麦粉+ベーキングパウダー)は235gです。




牛乳の代わりに無糖のアーモンドミルクを使ったり、無糖の飲むヨーグルトを使ったり、その時々に冷蔵庫にあるものを使っていますが、問題なく焼けています。何を入れるにしても、卵ひとつと合わせて120mlです。


卵と牛乳をよく混ぜておいたものを、粉、バター、砂糖を合わせた生地に加えますが、全部は使ったり、使わなかったり。

全部使うと、ネチャネチャした生地になるので、成形し辛くなりますが、焼き上がりがしっとりするような気がします。

生地がぽろぽろしながらもギリギリまとまるくらいの少ない量の水分を加えると、若干もさっと仕上がりますが、そういうスコーンも好きです。

すぐに焼かずに冷蔵庫や冷凍庫で保存する場合はカップの卵牛乳全部使って生地をまとめた方が、保存中に水分が抜けていって生地が乾燥しすぎてしまうのを防ぐことができると思います。