再び現れた詐欺男(さぎお)に、『また帰れなくなった』ことを報告された私。
私はATMでお金を降ろし、
私「今日はもうギリギリしかあげられないけど。」
と言って1万3千円を渡した。
(もうバカと言い過ぎたので言葉がない)
私も仕事で駅に行く予定だったし、駅まで一緒に歩いた。
徒歩2分くらいだったので、特にいろいろ話したわけではない。
男「なんだか散々な旅行になってしまった…」
子供の頃震災に遭い身寄りのない男は、彼女にお金を取られて逃げられ(お金より信じていたのに裏切られたのがショックだったと言ってたっけ)、その後一生懸命バイトをして貯めたお金で初めての旅行に来たのだった。
その話をまるまる信じていた私は、ちょっと可哀想になってきた。
私は駅で名物の土産菓子を買って、男にあげた。
全国の詐欺師の皆さーん、
今なら詐欺をするとお土産がついてきます
男「えっ、いいんですか?ありがとうございます!」
男「こんないい人がいるなんて…」
私「切符売り場、あっちですよ。一緒に行きましょう」
と声をかけたが、
男「そこまでいいですよ申し訳ないです。」
男「お仕事行ってください」
と言うので、
私「じゃあ、今度こそ、ちゃんと帰ってくださいね!」
すがすがしい気持ちで、通勤バスに乗った。
バスに乗った瞬間、
初めて
「ん?もしかして騙された…?」
と思った。
おせーよ
職場について、恥ずかしげもなく、同僚に一部始終を話した。
「私の知り合いは騙されて50万とられたよ。」と慰められ、
何とか気を取り戻したのだった。
次回、最後です。