こんにちは。
HSC専門のやさしい学習コーチ
中村千春です。
今日は、私自身の話
手がかからない子だった私が、ずっと欲しかったもの
続きを書きますね。

小学生の頃の私は、
「どうしたら目立たずにいられるか」を、毎日考えていました。
授業で手を挙げるなんて、
とても無理。
先生に当てられそうになると、
心臓がバクバクして
机の下でこっそり手を挙げたり、
目が合いそうになると引っ込めたり。
そんな私が、
「どうしてもやりたい!」
と思えたことがあります。
それが、3年生の学芸会。
黒子役をやってみたかったんです。

舞台の裏方のようでいて、
実は物語を動かす、大事な存在。
目立ちたくない私でも、
「これならやってみたい!」
と思えた役でした。
でもその役は人気で、
オーディション制。
大きな声でセリフを言えるかどうか。
ふだんは小さな声で
聞き返されることが多かった私が、
この時だけは必死で声を出しました。
そして――合格。
あのときの担任の先生は、
子どもの「やってみたい」を
引き出すのが本当に上手でした。
子どもがワクワクする題材を選び、
役の魅力を伝え、
オーディションという仕組みをつくる。
当時は、オーディションって
新しい取り組みでした。
今思うと、
「目立ちたくない!」
という思いが強かった私でも、
「やってみたい!」
と思える環境があれば
ちゃんと動き出せたんですよね。

一方で、こんなこともありました。
家庭学習が始まったときのこと。
最初はやる気満々で、
早起きして机に向かっていました。
でも、すぐに手が止まります。
「何をやればいいのかわからない…」
漢字は授業中に覚えているし、
ドリルは持ってない。
家でできるもの…
本を読もうかな。

はじめは、
真面目に読んでいたものの、
すぐに飽きてしまいました。
そこで私は、
ある“方法”を思いつきました。
本を読んだことにして、
ノートに「読んだ」とだけ書く。
実際には、
ほとんど読んでいないのに。
本当は――
気づいてほしかったんです。
「困ってるよ」って。
「どうしたらいいか、一緒に考えてほしい」って。
でも、大人から見れば
「ちゃんとやっている子」
に見えていたのかもしれません。
怒られることもなく、
そのまま続いていきました。

今振り返ると、よくわかります。
あのときの私は、
サボりたかったわけでも、
怠けたかったわけでもなくて
「どうしていいかわからない」
というサインを出していたんです。
私は小さい頃から
気持ちをそのまま出すことが
苦手でした。
だからこのときも、
「困っている」
と言えなかったんですね。
黒子に挑戦できたときは、
「やってみたい」
と思える環境があった。
家庭学習でつまずいたときは、
「どうしたらいいか」を
一緒に考える関わりが足りなかった。
「一人でできるよね」
と思われていたけれど、
信頼と放置は紙一重。
ひといちばい敏感な子は、
もともと力を持っている。
でもその力は、
安心できる関わりがあってこそ、
少しずつ発揮されていくんですよね。

今、もし
「うちの子、あまり自分の気持ちを言わないな…」
そう感じることがあったら、
それは
“恥ずかしがり屋”だけではなくて
「どうしたらいいか、わからない」
サインかもしれません。
あのときの私に、
誰かがこう言ってくれていたら
よかったなと思うんです。
「手伝えることはある?」
「一緒にやり方を考えてみようか」
って。
今、私は、
子どもに正解を教えるだけじゃなく、
挑戦をそっと支えられる存在で
ありたいと思っています。
子どもに寄り添うあなたの関わりは、
目に見えなくても、
子どもの力につながっていきます。



















